自然素材と北欧テイストを家に取り入れることで、暮らしに大きな魅力を生み出すことが出来ます。そのため、自然素材の特性を最大限に活かすことが出来る北欧スタイルは、理想的なリノベーションを行うのに役立ちます。
ここでは、自然素材の重要性や魅力を知って、自然素材を使って北欧テイストにリノベーションをする時に、素材が持つ温もりと風合いが、どのように調和し、生活空間を一層豊かにすることが出来るのかをご紹介したいと思います。
自然素材編
1.自然素材の重要性とその魅力とは?
自然素材を利用した建築とデザインは近年、注目されています。それは、環境破壊や資源の危機など、地球が抱える深刻な環境問題を、私たちの暮らしの中で、持続可能な『サディスナブルな素材』を使うことで環境への負担を減らすことに貢献できるからです。
しかし、自然素材は、現代の合成素材などに比べると、古臭い、質が劣ると感じる方も少なくありません。家づくりで使用する自然素材には、合成素材にはない、どんな魅力があるのでしょうか?特性と魅力、リノベーションでの活用法をご紹介したいと思います。

●無垢材
無垢材とは、混じりけのない、一つの木材から作られた素材のことです。住宅では、無垢フローリングとして床材に使用されることが多く、他にも壁や天井のパネルとして仕上げ材に使用されます。北欧家具も無垢材で作られるのが一般的です。
人工的には作れない、自然木だけにしかない温もりと風合いを感じることが出来る点は最大の魅力です。また、無垢材は、時間と共に経年変化が生じて、色合いや質感が深まるため、合成素材では得ることが出来ない、長期的な美しさと深みを楽しむことが出来ます。
● 珪藻土
珪藻とは藻類の一種で、古代の海底に生息していた珪藻の化石が蓄積して作られた岩石が、天然素材の珪藻土です。
珪藻土には、優れた吸湿性と調湿性があるので、壁や天井の仕上げ材として珪藻土を使うことで、部屋の湿度を適度に保つことが出来ます。そのため、カビの発生を抑えたり、快適な居住空間を維持したりするのに役立ちます。
塗り壁材なので、着色をして温かみのある色を楽しんだり、塗りパターンを付けることで陰影による美しさを楽しんだり出来ます。
● 漆喰
漆喰は、消石灰を主原料にした天然素材で、主に壁や天井材として古代から住宅に使用されてきました。同じ塗り壁でも珪藻土とはまた違う、艶のある自然の美しさを感じられる仕上げ材です。
珪藻土と同様に吸湿機能と調湿機能があります。さらに、空気を浄化する性質があるので、消臭効果が期待でき、壁に塗ることで室内の空気を清潔に保つことが出来ます。
● 天然リノリウム
リノシードオイルや木粉、コルク粉末、天然樹脂を主成分とした天然リノリウムは、住宅では主に床材として使われます。耐水性に優れていることから、特にキッチンやバスルームの床材として人気です。
抗菌・抗ウイルス性に優れ、柔らかさと足触りの良さがある一方で、傷や凹みが付きにくく、耐久性に優れていることや、燃えにくいという性質から学校や病院といった公共施設でも使われています。色やデザインのバリエーションも豊富なので、選択肢が広いという魅力もあります。
製造過程でも環境を汚染することなく、有害物質が発生せず、破棄する時にも土に返すことができる、エコフレンドリーな素材であることも魅力のひとつです。
● 和紙
日本の伝統的な手法で作られる和紙は、壁紙や障子、襖など古代から日本建築で使われてきました。照明器具やパーティションなどを含め、身近な素材としてインテリア小物にも使われています。
和紙は、再生可能な素材なので、環境に優しくサディスナブルな素材としてエネルギー源として活用することも出来ます。
住宅建材として優れていることはもちろん、独特の光の拡散により、柔らかで落ち着いた雰囲気の空間を作り出す和の美しさは、和紙にしかない唯一無二の魅力です。
● 畳
イ草やrushesという植物を織って作られる畳は、日本の伝統的な床材として使用されてきました。畳は、足触りの良さだけではなく、リラクゼーション効果のある自然の香りによっても快適な空間を作り出してくれるため、和室以外にも寝室やリビングの床材として採用されています。また、自然素材ならではの調質効果や断熱性も期待できます。
近年、イ草を張る畳床は発泡ポリスチレンが活用されていますが、伝統的な藁によって作られた畳であれば、足に優しく弾力性があるうえに、100%生分解可能なので、廃棄時にも環境負担が非常に低いエコフレンドリーな素材です。
2.自然素材のメンテナンスと耐久性
自然素材それぞれの特性を理解して、適切に利用することや、コーディネートすることで、素材の魅力を最大限に活かし、より快適な暮らしの実現に貢献してくれます。そのため、それぞれの素材がどのようなメンテナンスを必要として、どの程度耐久性があるのかについて知っておくことが大事です。上記でとりあげた素材の具体的なメンテナンス方法と耐久性をご説明したいと思います。

●無垢材
日本に残っている古いお寺からも分かるように、適切にメンテナンスを行えば、無垢材は何世紀にもわたって使用することが可能な素材です。オイルやワックスなどによって、保護塗装を定期的に行い、適切な湿度を保つなら、木材の美しさと強度を長期間にわたって維持することが出来ます。
しかし、木材は耐水性が低いので、水分と直接接触すると腐食する可能性があるので、防水処理と定期的な点検を行うことなど、水気の多いところでの使用には注意しましょう。
●珪藻土
珪藻土は一般的に長持ちする素材ではありませんが、適切なメンテナンスによって10年以上持たせることが出来ます。
珪藻土は力を入れてこすると表面が傷つく可能性があるので、掃除の際には柔らかい布を使い、汚れがひどい場合には薄い石けん水で洗ってメンテナンスをしましょう。
●漆喰
漆喰は、適切なメンテナンスによって数十年持たせることが可能な素材です。
掃除機で定期的に埃を吸い取り、シミが出来た場合は乾いた布で優しくこするようにして掃除を行いましょう。また、調湿効果があるとはいえ、高湿度に弱い素材なので、換気を行い適度な湿度を保つことが重要です。
●天然リノリウム
非常に耐久性が高い素材なので、適切なケアによって数十年持つことができる素材です。
しかし、紫外線の影響を受けやすく色あせしやすいので、日当たりが良く長時間直射日光が当たる場所で使用する際には、窓にブラインドやカーテンを付けて色あせを防ぐ対策を行うなど、注意が必要です。
また、アルカリ性に弱いという特徴もあるので、アルカリ性の洗剤やワックスの使用は避けましょう。
●和紙
素材自体は耐久性があるため、適切な管理と丁寧な扱いによって数十年にわたり美しさを保つことが出来ますが、デリケートな素材なので、環境に影響を受けやすいというデメリットがあります。
水分に弱いので高湿度を避けることや、直射日光を避けることが重要です。埃や汚れが付着した場合には、乾いた布で優しく引き取りましょう。
●畳
畳は、通常7~8年ごとに新しいものに交換することが推奨されていますが、丁寧にメンテナンスを行えば、その期間を延ばすことが可能です。
特に、湿度を吸収する性質があるので、適度な湿度管理を行うことが重要です。また、直射日光による色あせを防ぐために、窓にはブラインドやカーテンを取り付けるなどの対策を行いましょう。
清掃の際には、掃除機を用い、汚れが付着した場合はすぐに乾いた布で拭き取るようにしましょう。
3.自然素材の環境への影響
自然素材の良さは、素材そのものの魅力だけにとどまりません。自然素材は、環境に与える影響が少ないという点も使うことで得られる利点のひとつです。
例えば、石油製品などの人工素材は使用後の自然分解が難しく環境汚染の原因となっていますが、自然素材は再生可能で、使用後に環境に戻されると自然に分解されます。
他にも、自然素材を使用することで環境に与える影響は多岐にわたります。いくつかの主な要点をご紹介したいと思います。
■環境負担の低減
自然素材は、合成材料や化学製品に比べて製造過程における環境負荷が大幅に低くなります。これは、生産過程でのエネルギー効率が良く、大量の化学物質を必要としないからです。また、自然素材の製造には大気汚染や水質汚濁を引き起こす可能性のある製品が少ないため、環境への影響が低くなります。
■再利用とリサイクル
自然素材は再利用やリサイクルが可能で、さらにはバイオデグラダブル(自然分解性)である場合が少なくありません。このため、廃棄物として処分されるときにも環境への影響が小さくてすみます。
例えば、木材や和紙は使い終わった後にリサイクルされて新たな製品に生まれ変えることが出来ます。また、畳は完全に分解され土壌の栄養、エネルギー源になることが出来ます。
■二酸化炭素の吸収と貯蔵
木材や畳などの植物由来の素材は、成長する過程で二酸化炭素を吸収し、素材として利用することでその二酸化炭素を長期間貯蔵することができます。そのため、自然素材は地球温暖化の主な原因とされている温室効果ガスの排出を減らす役割を果たしてくれます。
■生物多様性の保護
自然素材の生産は適切に管理されることで、生物多様性の保護に貢献します。
例えば、持続可能な森林管理によって採算される木材は、森林の健康を維持しながら、多様な種類の動植物が生息できる環境となります。
4.自然素材でリノベーションするメリット
ここまで、自然素材の魅力を取り上げてきましたが、住宅のリノベーションにおいて個人単位で自然素材を使用することには、どんなメリットがあるのでしょうか?
自然素材を使ってリノベーションをすることのメリットをご紹介したいと思います。
■環境に優しい
自然素材は再生可能な資源から作られ、エネルギー効率の良い過程で生産され、最終的には、自然へと生分解性であるものが多いため、地球の環境に対する負担を軽減します。
これは、サディスナブルな暮らしを目指す人が、リノベーションで選ぶ建材として、最良な選択となります。
■健康への利点
近年、住宅建材から放出される化学物資により、アレルギー反応や呼吸器疾患、シックハウス症候群などを発症し、人体への影響が懸念されています。
その点で、自然素材は化学物資の放出が少ない、もしくは無いため、健康維持に貢献します。また、調湿効果のある素材や抗菌性のある素材が多いため、リノベーションで使うことで室内の空気の質を向上させることが出来ます。
■耐久性
高品質の自然素材は、適切にメンテナンスをすることで、非常に長持ちさせることが可能です。
永く住むための家、子どもや孫の世代まで資産を残し、世代を越えて住める家にリノベーションをするうえで耐久性の高い自然素材を使うことは効果的です。
■美観
快適な家にするには、機能性を上げることだけではなく、見た目の心地良さも重要です。その点で自然素材のもつ、美しさと風合いは、空間に深みと温もりをもたらしてくれます。
しかも、使い、暮らしていく中での独自のライフスタイルによって生まれる経年変化によって、素材はさらに深みを増し、世界でひとつだけの風合いを楽しむことが出来ます。
■感触
自然素材は感触が心地良く、リラックス効果があります。
例えば、木材の温もりや畳の柔らかは、素足で過ごしたくなる家になり、自然素材でしか味わえない快適な空間を生み出します。床との距離が近く、何にでも興味を持って触れる、幼い子どもにとっても安心して暮らせる住まいとなります。
■心地良い生活環境
自然素材はリラクゼーションや安心感をもたらしてくれます。そのため、ストレスの多い現代社会において、心地良く、安らぎとなる住まいを作り、より質の高い暮らしをするうえで最適な素材です。

5. まとめ
リノベーションで使える自然素材は、エコロジーとサディスナブルを重視する現代のライフスタイルに非常に適した素材です。しかも、環境に優しいだけではなく、そこに暮らす人にとっても、健康で、より快適で、より自然に近い生活を長期的に送ることが出来る、生活の質を上げる素材です。
経年変化により深みを与え、見て触れるうえでも、美しく楽しませてくれます。しかし、自然素材を長期的に使用し、楽しむためには、その特性を知り適切で定期的な掃除やメンテナンスが必要となります。そして、その作業こそが自然素材とのつながりを深め、素材を大切にし、愛着をもって使い続ける気持ちを育む機会となります。
また、自然素材は再生可能な資源から作られ、エネルギー効率の良い過程で生産され、最終的には、自然へと生分解性であるものが多いため、建材として利用される以前の、生産段階から、利用、老朽化して廃棄されるまで、ライフサイクル全体を通じて環境破壊への影響を最小限に抑える優れた特性を持っています。
そんな自然素材を使ってリノベーションをすることは、個人でも出来るサディスナブルな取り組みになるだけではなく、美しいものに囲まれて健康を維持し、快適で質の高い暮らしを送るうえで賢明な選択と言えます。
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