部屋の配置や間取りを考える際に、回遊性のある間取りが人気になっています。回遊性という名称は知らないという方も、案外目にしていることは多く、便利な間取りとしてリノベーションでも取り入れられています。
そこで、回遊性のある間取りとはどのようなスタイルなのか、さらに取り入れることによるメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
間取りに取り入れることの出来る、回遊性とはどのようなスタイルのことを言うのでしょうか?リノベーションで取り入れられている、どんな回遊性のある間取りが人気なのでしょうか?
回遊性のある間取りとは、キッチンや収納などを中心にしてぐるりと回れる間取りになっている、行き止まりがなく回れる通路があるということです。有名なものとして、キッチンの種類のアイランドキッチンも回遊できるスタイルといえます。
回遊できる部分を部屋のどこに配置するか、何を回遊するかによって、間取りや使いやすさは大きく異なります。
一般的にリノベーションで取り入れられる回遊性のある間取りには、キッチンまわりや玄関収納、水回りや家事導線を中心に回遊できるようにする配置が人気です。例えば、玄関とシューズクロークを回遊して、土足でも室内側からでも利用しやすいようにする間取りや、戸建ての場合は、どこからでも利用しやすいように、リビングに配置した階段を中心に回遊できるようにしているお宅もあります。
中には家の壁側に廊下や土間を設け、家全体を回遊できる間取りにしているケースもあります。各部屋を自由に出入りできるような、このデザインはペットがいるお宅や小さなお子さんがいらっしゃるお宅で人気です。
リノベーションの際に回遊性のある間取りが人気になっている通り、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。メリットとデメリットを確認しておきましょう。
回遊性のある間取りの最大のメリットとして挙げられるのが、導線が良くなるという点です。通路がたくさんあるということなので、今いるところから最短の導線を選んで移動出来ます。そのため、水回りを中心に回遊できるようにすることで、家事がスムーズに出来たり、時短になったりします。
アイランドキッチンに代表されるように、複数人が並んで作業するだけでなく向かいあって作業することも出来ますし、家事中に自由に行き来できるというメッリトがあります。家族が多い場合や、活動時間が重なる場合など、それぞれの導線が妨げられないので便利です。
通路がぐるりとあるということは、物のない空間が広くとられているため、室内を広く、開放的に見せることが出来るという効果もあります。スッキリとした印象を与えるうえでも人気です。
多方向に動けるということは、単純に通路が倍以上になるため、その分のスペース必要となります。ある程度の広さがなければ回遊出来る間取りにすることは難しくなります。十分なスペースが確保できていないのに、無理矢理回遊性のある間取りにすることによって、むしろ遠回りしなければいけなくなる場合もあり、導線の悪い間取を作ってしまう可能性もあります。
アイランドキッチンがあるリビングのように、同じ部屋の中で回遊性のある作りであればそれほど影響はありませんが、洗面所や玄関とキッチンを繋ぐなど、他の部屋をまたぐように回遊性がある間取りは壁が少なく、ドアになることで密閉性も下がるため、冷暖房が効き辛くなる可能性があります。
ドアを設けていても、家事効率を優先させて両手がふさがれていても動きやすいようにするため、ドアは開けっ放しにしておくというお宅も多く、さらに冷暖房の効きが悪くなってしまうかもしれません。
通路が増えることで、ドアの数やスイッチの数が増えてしまいます。そのため、回遊しない間取りに比べ材料費分、リノベーション費用が上がってしまうというデメリットもあります。
水回りや収納スペースなどを中心にぐるりと回れる、回遊性のある間取りをリノベーションで取り入れることが人気となっています。しかし、メリットがある一方でデメリットもあります。メリットとデメリットを比較して、見た目の良さだけでなく、回遊できる場所をどこに設けるかを検討すること、また家の広さによってはむしろ導線が使いづらくなってしまわないか、費用がどれだけ違うかなどを確認したうえで、回遊性のある間取りを取り入れなければ、メリットを最大限に活かすことが出来なくなってしまいます。
しかし、回遊性のある間取りも検討してみることで、柔軟な発想で部屋を配置することや、家事導線の良い間取りを計画することが出来るかもしれません。