コロナになってから、田舎に旅行にいったり自然に触れて癒されたりする時間が減ったという方、反対にアウトドアを楽しみ、自然の良さに気づいたという方がいらっしゃいます。どちらの場合も、自然の良さを知っていることや、癒し効果を感じて、家でも自然を感じたい、ガーデニングを楽しみたいという需要が増えました。そんな、願いはリノベーションによって実現させることが可能です。
では、どのようにリノベーションによって自宅にガーデンスペースを取り入れることが出来るのでしょうか?また、ガーデンスペースを通して、どのように植物を楽しむことが出来るのでしょうか?
リノベーションによって、戸建てはもちろん、マンションでもガーデンスペースを取り入れることは可能なのでしょうか?
戸建てに住んでいても、全ての家に庭があるというわけではありません。そのため、現状ではガーデンスペースを確保するのは難しいと感じるかもしれません。既に敷地いっぱいに家が建っているのであれば、リノベーションで間取りを変更してもガーデンスペースを取り分けることは出来ません。その場合は、減築するという方法を考えることが出来るかもしれません。家の中央、一見日当たりが悪い場所であっても、中庭にして、上から陽が入るようにすれば庭としても陽があたり、室内にも明るさを取り入れることが出来ます。
また、2階以上の部屋を減築してガーデンスペース用のバルコニーにすることによってもスぺ―スを確保することが可能です。その場合は、防水工事や重たくなる土や鉢を支えるための強度を高める工事をしっかり行っていなければ、水漏れや倒壊の危険に繋がるので、プロに依頼しましょう。
一般的にマンションのような集合住宅には庭がないため、ガーデンスペースを設けることは難しくなります。ベランダでガーデニングを楽しむことも出来るかもしれませんが、ベランダは共用部分になるので、動かせないほどの大きなプランターを置いて避難経路を防ぐこと、直接土を敷き詰めることなど、本格的なガーデニングは規約上出来ないことがほとんどです。
しかしベランダ以外でも、グリーンスペースを設けることは出来ます。食事に使えるミニ野菜やハーブであれば、キッチンの近くで育てることが可能かもしれません。キッチンにある窓や出窓を活用してガーデニングを楽しむことや、可動式のワゴンにグリーンを乗せて日中は窓の近くに、それ以外はキッチンに運び育てることもできます。ワゴンで育てるのであれば、家事導線の邪魔にならないように、リノベーションでの導線計画の際に、ワゴンスペースも意識して確保しておきましょう。
また、インナーテラスなど窓際に土間スぺ―スを設けて、その一部で、プランター栽培やシェルフに様々な植物を飾ってガーデニングスペースを作ることも出来ます。土間なので、土が落ちても問題ありませんし、掃除もしやすい空間です。しかし、ホースで一気に水やりをすることは難しい環境と言えます。そのため、水やりをしやすい導線を考えておくことは重要です。土間から洗面所に直接は入れる間取りにしたり、土間部分に大きめのジョウロが入るマルチシンクを設置しておいたりするなら、導線が短く便利になります。ベランダで水がやりやすいように、ベランダに出やすい位置にグリーンスペースを設けていらっしゃる方も少なくありません。
グリーンを眺めること、その空間に居ることで癒されるという方もいらっしゃいます。ガーデンスペース、を作るのであれば、そこから癒し効果を得られるように、リノベーションでもう一工夫してみましょう!
リビングに繋がるように、リビングのフローリングと同じ高さのデッキを庭につなげたり、反対にリビングにインナーテラスのような土間空間を作り、土足のままでリビングから庭に出られるようにしたりすることで、リビングからひと続きの空間が生みだせ、もっと庭へのアプローチが身近になります。
また、窓のサイズや位置にもこだわってみましょう。戸建てであれば、廊下の足元に窓を付けることで、外からの目線を感じることなく、外のグリーンを楽しみつつ明かりを取り入れられる空間にすることが出来ます。また、中庭を作る場合は、庭をぐるりと囲むように大きめの窓を作ることで、どの部屋からもガーデンスペースがよく見える空間に出来るかもしれません。ガーデンスペースに植えた樹木がどれほど育つのかを想定したうえで、成長した際に楽しめる高さに窓を設けることも大切です。
マンションなどの集合住宅では窓を動かしたり大きさを変えたりすることは出来ません。そのため、室内に設けたグリーンスペースを仕切るのであれば、室内窓や開口部分を設けて趣味部屋やリビングなどの隣の部屋から見えるようにすることはおススメです。
コロナ禍でリモートワークになり、自宅で仕事が出来るようにとホームオフィスをリノベーションによって取り入れる方も増えました。仕事部屋を作るうえで、仕事を良い環境で行えるように、ガーデンスペースにオフィスを設けるガーデンオフィスが海外を中心に人気になっています。
庭に繋がる部屋をオフィスに変えることも出来ますし、庭の中で仕事が出来るように増築することも出来るかもしれません。また、気分転換に庭でも仕事が出来るように、ガーデンスペースにテーブルセットを設けておくだけでも良いかもしれません。
ガーデンオフィスでの仕事を快適にするためには、日差しが入りすぎて室内やコンピューターが暑くなりすぎないように、冷暖房設備を整えることや、サンシェードを設けて日よけ対策を行っておくことを意識しましょう。そして、せっかくの環境を楽しめるように、大きめの掃き出し窓や、窓部分が全部開放できる引き込みタイプや折れ戸タイプにするなど、窓の種類にもこだわった部屋にすることで、植物から発生されるマイナスイオンで、より快適にストレスフリーな環境での仕事を楽しめるかもしれません。
家に居ながら大好きな自然を楽しみたい、癒されたいという方の希望をリノベーションによって叶えることが出来ます。既に敷地いっぱいに家が建っている戸建ての場合は減築することやバルコニーを作ることで、庭を設けることが出来ないマンションの場合は、可動式のシェルフを使ったり、土間スぺ―スを設けたりすることでガーデンスペースを取り入れることが可能です。そして、ガーデンスペースを設けるのであれば、隣接する部屋からも眺められるようにしたり、ホームオフィスとしても使えるようにしたりすることで、日常生活の中でグリーンを楽しめるようにしましょう。
グリーンに囲まれるという、お気に入りの空間を、ぜひリノベーションで実現させましょう。