共働きの夫婦、それぞれが仕事を持っているパートナーや家族など、家に住む人全てが仕事と家事を両立しているお宅が増えています。そして、専業主婦・主夫とは違う、家事の悩みや家の問題点が発生しています。拠点となる家が整っていると、仕事も家事も捗り、夫婦や家族が快適に暮らしやすい環境にすることが出来ます。
では、共働き夫婦が暮らしやすい家にするには、どんな点を意識してリノベーションすれば良いのでしょうか?
夫婦共働きの世帯にとって、一般的に課題となるのが家事です。家族が協力して家事を行う、家事をシェアするためには、家事がしやすい、負担にならない家にしておくことが重要です。
夫婦どちらかが、出勤前に洗濯物を干すことが出来ても、取り込むタイミングは、その日の仕事次第ということは少なくありません。2人とも帰宅が遅ければ、急な雨に対応することも出来ません。だからと言って、天気が悪い日は洗濯が出来ないとなると、洗濯物が溜まっていくばかりです。せっかくの休みの日に洗濯物に追われるということも避けたいものです。
そこで、便利なのがランドリールームや室内干しスペースを設けることです。洗濯機のある脱衣所の横で、日当たりの良いスペースをランドリールームとして取り分けておけば、洗濯機から取り出してすぐに干すことが出来るので、家事の時短にもなります。間取り的に、ランドリールームのみで取り分けることが勿体ないと感じる場合は、日の当たる部屋の窓際に、ランドリーパイプを設置しておくことで、天気の悪い日のみ部屋干しにすることが可能です。また、土間スペースにして、アウトドアリビングのような雰囲気を楽しめるようにすることも出来ます。天井に収納できる昇降式のものや、壁に設置する伸縮ワイヤー式のものを活用すれば、普段は収納できるため邪魔にもなりません。
家事の時短に貢献する、掃除を楽にする機能が付いた住宅設備は増えています。例えば、自動洗浄がついた便器や浴槽があります。また、洗い物を楽にするために、キッチンにビルトイン食洗器を設けることも出来ます。
しかし、注意したい点として、オプション機能や設備があることで、サイズが大きくなったり、造りが複雑になったりする場合があります。キッチンやユニットバスなど、サイズが大きくなれば、その分、掃除の範囲も広くなってしまいます。機能が良く、部品が増えることで、細かな掃除やメンテナンスが必要になってしまうこともあります。生活を便利にする設備が、反対に家事や暮らしを複雑化してしまう可能性があるのです。夫婦2人であれば、コンパクトな水回り、シンプルなデザインの方が、掃除が楽で片付けやすい場合もありますし、無駄を省き、家族にとって使いやすい物にするために、造作洗面台やオーダーメイドキッチンが良い場合も少なくありません。
大きい方が良い、機能が色々付いていた方が確実に便利、というわけではないので、適正なサイズや設備をよく検討したうえで採用しましょう。
共働きだからと言って、仕事を中心とした生活に対応する家にするだけではなく、夫婦での家での時間を楽しめるような、リラックスできる家にすることも大事です。どのような点を意識できるでしょうか?
帰宅時間がバラバラだったり、遅かったりすると、夫婦が揃って過ごせる時間が夜中だったり、早朝だったりするお宅も少なくありません。時間や隣近所を気にせずに会話を楽しんだり、音楽や動画を楽しんだりして過ごせるように、防音室を設けることや防音対策を行っておくことはおススメです。
防音素材を使わない場合でも、LDKを家の内側にして、寝室など他の部屋で囲むように配置することや廊下を外側に配置することによって、壁や部屋、空間を隔てることが出来るので音漏れ対策になります。
せっかく同じ時間に家にいても、同じ空間にいても、顔が見えない、会話がし辛い間取りになっていると、徐々に会話が減ってしまうかもしれません。家の中でのすれ違いを出来るだけ減らすような間取りを意識しましょう。
ダイニングテーブルを無くして、対面カウンター付のキッチンにして、料理をしながら対面して会話が出来るようにしたり、リビング内にワークスペースを作る際には、壁に向かったデスクやカウンターにするのではなく、室内窓や腰壁などで間仕切り、リビングが見渡せる位置にデスクを設けたりすることで、顔が見える工夫が出来ます。細かく部屋を仕切るのではなく、セミクローズドにすることを意識しましょう。
共働き夫婦にとってリノベーションで家を整えることは、いっそう暮らしやすい環境を作り出すひとつの方法です。洗濯物をいつでも干せるようにランドリールームを設けたり、適切なサイズや機能の住宅設備を採用したりすることで、生活をシンプルに、それぞれの家事の負担を減らすことが出来ます。また、家での夫婦の時間を楽しめるように、防音対策を考えること、自然と顔を合わせ、会話が出来る間取りにしておくことも効果的です。
共働きでの生活が、いっそう充実したものになる家を目指してリノベーションしましょう。