リノベーションで理想の家を目指すうえで、とにかくシンプルに、スッキリと、明るく、物は少なく、という希望を出す方は少なくありません。床やドアなど、内装材のベース色としては、大きく分けてダーク色、ナチュラル色、白の3色が基本です。この3色のうちシンプルテイストを目指すのであれば、出来るだけ白をベースにコーディネートすることがおススメです。しかし、白は色として奇抜ではないものの、室内を白にコーディネートするのは失敗しないのか心配だという方も少なくありません。
シンプルな家にリノベーションするうえで、白をベースにした内装に仕上げるのは、実際どうなのでしょうか?どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?ホワイトコーデのポイントやシンプルな家づくりのコツと共にご紹介したいと思います。
白をベースに内装を仕上げた家のメリットとデメリットは何でしょうか?実際にホワイトコーデの家に住んでいる人達に多い満足している点や後悔している点、さらにはリノベーションのプロ目線での意見をご紹介したいと思います。
●明るく開放的になる
白は反射率が高く、膨張色でもあるので、空間を明るく圧迫感を感じさせないという視覚効果があります。そのため、面積の広い床や壁、天井の内装材に白を選ぶことで明るく開放的な部屋にすることが出来ます。
●清潔で衛生的に見える
医療の現場で白が多く使われていることからも分かるように、白は清潔で衛生的な印象を与えます。真っ白であることは、汚れていないことの証拠となるからです。実際に、白は汚れが目立ちやすいことから、汚れに気付きやすく、掃除を頻繁にするため、清潔さを保ちやすいというメリットもあります。そのため、便器や洗面ボウルなど、衛生面がきになる水回りでも白が多く使われています。
●インテリアやファブリックを楽しめる
白はどんな色やデザインのものでも合わせやすいので、内装材を白ベースにすることで、家具やファブリックなどのインテリアの選択肢が広く、コーディネートを楽しむことが出来ます。家具や小物によって限りなくシンプルにも、奇抜で個性的な空間にも変えることが出来ます。リノベーション後も、小物で色を足したり引いたり、家づくりを楽しみ続けられるというメリットがあります。
●埃が目立ちにくい
ダーク系の床は埃が目立つというデメリットがあるので、その反対色でもある白は、床に取り入れることで、埃が目立ちにくいというメリットがあります。
●明るすぎて疲れる
反射率が高い白は明るく開放的になる一方で、太陽光が入る部屋や照明によっては、明るすぎて刺激が強く目が疲れる、落ち着かない部屋になってしまうかもしれません。白の内装材でも、光沢の少ない素材を選んで反射率を下げたり、昼光色よりも昼白色の電球や調光できる照明器具を選んだりしてリラックスできる工夫が必要です。
●汚れや傷が目立つ
白は汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。白い床の場合は、埃は目立ちにくいものの、キャスターのゴムの黒い跡などが残りやすくなります。また、ドアや壁も手垢や油汚れなどが目立ちやすくなります。掃除が苦ではなく、清潔な状態を常に保ちたいという方には、汚れが分かりやすいことはメリットになりますが、子どもやペットがいる家や家事を出来るだけ減らしたいと思っている方にとっては大きなデメリットです。
白の内装材でも、汚れや傷がつきにくい素材を選んだり、白でも真っ白ではなく、木目のあるものや、石目調など柄が少しあるものを選んだりすることで、汚れが目立ちにくくなります。
●温かな空間になりづらい
明るく、清潔感のある白は、モダンテイストやミニマリストコーデにはピッタリですが、色が無いため、冷たく感じます。温もりを感じられる家や、落ち着いたアンティークな雰囲気の家にしたい場合は、適していません。ダーク色の家具が映えるので壁を白くするのは問題ありませんが、床を白にするとモダンな雰囲気が強くなってしまいます。
温もりを感じる家やアンティークテイストの場合でも、シンプルな家にすることは可能です。シンプルにしたいからと、白にこだわる必要はないかもしれません。
シンプルな家にリノベーションするためには、白ベースの内装で仕上げる以外にも、いくつかの方法があります。どのようにシンプルな家にすることが出来るのでしょうか?白を内装材でどのように取り入れることが出来るかについてもご説明したいと思います。
白をベースにした内装材で仕上げても、家の中に物が溢れて生活感があると、シンプルな印象は与えません。沢山の物によって白い部分が隠れてしまい意味もありません。そのため、シンプルな家を目指すのであれば、物を減らす、表に出ないようにするという点を意識したリノベーションにする必要があります。
色があるものや小物は、出来るだけ隠す収納が出来るように、扉付きの収納スペースを確保しましょう。白を基調としたい部屋には特に、用途に合わせた大容量の収納を設け、取っ手のない収納ドアを設けることで、よりシンプルな空間になります。
コンセントやスイッチを目立たない位置に設置したり、まとめたり、扉を付けたりすることによっても、生活感を隠しシンプルな印象づくりに貢献します。
デメリットの部分でも取り上げた通り、白が一番明るくシンプルな雰囲気にはなるものの、白ベースが似合わないアンティークテイストな家でもシンプルな家にすることは出来ます。ダーク色やナチュラル色などベースとなる色を決めたうえで、室内の色をプラス2~3色以内にまとめることが大事です。
さらに、空間をシンプルにするには、凹凸を少なくすることや、家具を少なく床に余白があること、高さの低い家具でまとめることで壁の余白を作ることなど、空間に余白を充分にとることによってシンプルな印象を与えます。
また、天井がスッキリするように、ペンダントライトやブラケットライトではなく、埋め込みタイプのダウンライトや照明器具が見えない間接照明にすることによってもシンプルな空間になります。
シンプルな家にする点で、内装材に白を選ぶことは効果的です。白は反射率が高いため、明るく開放的に見せ、清潔で衛生的な印象を与えます。しかし、その一方で汚れや傷が目立ちやすかったり、明るすぎて疲れやすかったり、冷たい印象を与えてしまします。白ベースの家はシンプルなモダンテイストには適していますが、温かさを感じる家にするのであれば、白をベースにしなくとも、隠す収納にしたり、床や壁に余白を作ったり、凹凸を少なくしたりすることでシンプルな家にすることが可能です。
キレイで片付いたシンプルな家にリノベーションをする場合は、目指したいテイストや色ごとのメリット・デメリットをよく考えたうえで内装材のベース色を決めましょう。