リノベーションで3LDKや2LDKといった間取りをワンルーム化する方法があります。こだわりのある、おしゃれなワンルーム化は、インパクトもあり、中古マンション物件としても人気です。しかし、かなり思い切りのいるリノベーションでもあります。リノベーションの間取りプランの選択肢に入れるうえで、ワンルーム化するメリットとデメリットを知っておきましょう。
LDKだけではなく、玄関、廊下、寝室まで、中には浴室やトイレも間仕切りカーテンのみにするケースもある、そんなワンルーム化リノベーションにはどんなメリットがあるでしょうか?
ワンルーム化する最大のメリットといえば、開放的になることです。元々部屋を作るために間仕切っていた壁やドア、全てが無くなるからです。部屋の奥まで見渡せ、広々した空間になります。状況に合わせて、自由に仕切ることが出来る自由度の高さもメリットです。
また、壁によって遮られていた、外からの太陽の光が入るようになり、家全体が明るくなります。さらに、家族の顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが深まったと感じておられる方もいます。
物理的にも、家族内も明るく開放的な家を手に入れるために、ワンルーム化リノベーションは効果的です。
ワンルーム化することで得られる開放的な空間は、そこに住む人、さらにはそこに訪れる人にとっても、印象的なオリジナリティあふれる空間となります。
海外のインテリア、ブルックリンスタイルや、工場のようなインダストリアルスタイルといった無機質でお洒落な雰囲気にもピッタリの空間になりますし、アパレルショップのような、店内全て見渡せウキウキするような空間を作ることもできます。
一目で部屋のテイストやこだわりが見えるお洒落な空間を作ることが出来るのです。
個室によって出来るドアの枠、間仕切りが無いオープンな空間は、段差が無くバリアフリーという点でも効果的です。また、家にいる人を常に感じられるため、幼い子供や介護が必要な人に目が行き届くというメリットもあります。
車椅子生活を送る点でも、開口部の幅や方向転換するスペースを気にしなくて良いので、生活しやすい空間となります。
リノベーションでワンルーム化するメリットが沢山ある反面、デメリットもあります。どんな点があるか、知って具体的に家の間取りと比較してみましょう。
ワンルーム化によって空間が広くなるため、家全体を温かくすることにも、涼しくすることにも時間がかかってしまいます。そのため、冷暖房効率が悪くなってしまうというデメリットがあります。
戸建てであるなら、外壁塗装の塗料で遮熱効果のあるものを選んだり、断熱材を入れたり、マンションの場合は内窓を取り付けるなど、気密性を高める工夫を意識しておきましょう。
ひとり暮らしであれば問題ありませんが、家族や数人で暮らす場合には、個室がないためプライベートを確保することが難しくなります。簡易的な可動式の壁や、カーテンなどで仕切ることは出来ますが、音や臭いといった部分を含め、しっかりとしたプライベート空間を確保することは出来ません。キッチンの料理の臭いが、家全体に広がるというデメリットも、毎日のことになると気になる方は少なくありません。
どれだけプライベート空間が必要か考え、必要であれば家まるごとワンルーム化するのではなく、一部屋だけ個室を残すといった間取りも検討してみましょう。
メリットにバリアフリー化出来るという点をあげましたが、実は反対にバリアを作ってしまう可能性があることも忘れないようにしておきたい部分です。というのは、高齢になり足腰が弱くなってきたとき、手摺があれば移動や自分で出来る日常の動作が、壁が無いため手摺が付けられず、介護が必要になるという可能性があるのです。独立した手摺を取り付けることも出来ますが、導線となる部分のあちこちに手摺が必要となり邪魔ですし、そうなってしまうとワンルームのメリットが台無しになってしまいます。
文字通りの壁というバリアを取り除いたつもりが、年齢や体力によっては新たにバリアとなる可能性もあるので、住む人の年齢や、築年数などもある程度見込んでリノベーションしましょう。
リノベーションによって家をワンルーム化することは、おしゃれな家としても取り上げられるほど人気の造りになっています。開放的で、家族のコミュニケーションを深めるのに役立ち、バリアを取り除く空間になります。しかしその反面、冷暖房効率を悪くする可能性や、プライベート空間が欲しいと思うこともありますし、そこに住む人にとってはバリアとなる場合もあります。
メリットとデメリットをしっかり検討し、デザイン性はもちろんのこと、使い勝手をよく考えたうえでリノベーションによるワンルーム化を行えれば、心地よい空間を手に入れることが出来ます。