コロナウイルスの侵入を防ぐ『土間』のある間取り

見えない敵であるコロナウイルスなどの感染症を防ぐため、出来るだけ室内に入れないように気を付けている方が増えてきています。その点で役立つのは室内にウイルスを可能な限り侵入させない間取りです。
そこで注目されているのが、土間のある間取りです。最近、人気を集めていた土間が、ここにきてさらに注目されているのはなぜでしょうか？

現代的な土間のある間取り

土間というと、古民家のような古いイメージを持つ方も少なくありませんが、最近は、デザイン的にも、その機能性的にも土間を設けることが人気です。土間とは、そもそもどのようなものなのでしょうか？

■土間って何？

本来、床を張らず土で出来た間を土間と言います。しかし、それは薪を使った炊事場があった時代の間取り、現代で言う古民家の玄関のような場所を指しています。
現在、土間という言葉は土の床ではなくても、土足のまま歩ける場所を指して使われており、玄関で靴を脱ぐ場所を玄関土間と言ったりもします。家の造りやライフスタイルの変化から、昔の古民家のような大きな土間が間取りから消え、靴を脱いで生活する室内個室を優先的に出来るだけ広くとる間取りが増えていきました。しかし、ここ最近は土間を玄関スペースだけでなく、あえて広くとった間取りが注目されています。
また土間の床材としても土ではなく、洗い出し仕上げ、タイル仕上げ、モルタル仕上げ、マンションではクッションフロアなど家のテイストに合わせてコーディネートとした床材が用いられています。

■デザイン的に注目されている！

土間のある間取りが人気を集めはじめたのは、実はコロナが蔓延する前からで、理由はそのデザイン性にあります。以前は和のイメージが強かったため、純和風や和モダンコーディネートとして土間を作る間取りがありましたが、最近は土間を、玄関だけでなく、廊下やキッチン、個室でも使うようになり、和風コーディネートどころか、流行りのインダストリアルスタイルやブルックリンスタイルを象徴するコーディネートとして使われています。
特にモルタルで作る土間は、無機質で雑然とした雰囲気、汚れても味になる感じがインダストリアルテイストにピッタリで人気です。

土間があるとコロナ対策に便利

現代的な土間や、デザイン性の人気を知ることが出来ましたが、コロナ対策としてはどのように土間が活躍するのでしょうか？

■玄関でコロナをシャットダウン

帰宅した際に、洋服や体についたコロナウイルスを落とす場所、室内に入れない対策が重要となってきます。その点で、玄関土間を広くとることで、家族全員が入って上着やマスクをゆっくり外し、除菌スプレーをするスペースを確保できます。さらには、外出時に使ったウイルスが付着しているかもしれない上着や帽子を室内に入れないですむように、外出着用のクローゼット、土間収納を設けることも出来ます。小さな子供がいてベビーカーがある場合は特に、ベビーカーごと土間に乗り入れて、落ち着いて作業が出来るので便利です。
また、来客を室内に入れずに、玄関と繋がった土間に客間を設け、接客出来るような間取りにすることで、来客が靴を脱がずにすむうえ、接触感染など、室内にウイルスが侵入することも防げます。
さらには、玄関と繋がった土間に洗面所を設け、手を洗えるようにしたり、洗濯機を設け、洗濯物をすぐに入れ、そのまま洗面所や浴室に入ったり出来る間取りにしているお宅もあります。

■ステイホームを楽しむ空間

土間があることは、外出先から戻ってきた時にコロナを室内に入れない対策をするためだけでなく、ステイホームを楽しむ空間としても役立ちます。土間のスペースをリビング横や窓に沿って設けることによって、室内でもアウトドアを楽しめるような空間に出来ます。インナーテラスのようにハンモックを設置してノンビリしたり、子供達とピクニック気分でご飯を食べたりする場所として活躍します。
また、窓際に作る土間は外に洗濯物を干したくない方にとって、ランドリースペースともなり、戸建て、マンション問わず便利な空間となっています。

まとめ

土ではなく、モルタルやタイルといった床材を使った現代の土間は、お気に入りのインテリアコーディネートをするリノベーションで人気を集めています。さらに、土間は室内へのコロナウイルスの侵入を防ぐために、バリア空間として使い、室内と区別することでコロナ対策のための間取りを作ることが出来ます。

玄関土間を広くとって除菌するスペースを確保したり、土間収納で外出着を室内に持ち込まないようにしたり、さらには室内側に土間を設けてステイホームを楽しむ空間やランドリースペースとして使うことも出来ます。命を守るために必要なコロナ対策ですが、同時に使いやすい間取りや、オシャレなインテリアを諦めない家にするという点で土間のある間取りはおススメです。