リノベーションで快適な家を作れても、私達にとって快適な家が全て、大好きなペット達にとっても快適とは限りません。でも、大事な家族だからこそ、共に暮らすうえで居心地の良い空間を作ってあげたいと思いますよね。
そこで、今回は大好きなペットと暮らす家にするために、どんな点に注意してリノベーションすべきかを、ご紹介したいと思います。
ペットとして家族に迎えている動物には色んな種類がありますが、ここでは特に犬と猫にスポットをあてて、快適に暮らすリノベーションを考えてみましょう。
人と比べ体の小さな犬や猫にとって、家全体は生活空間とはいえ、落ち着く居場所、寝床となる場所は固定された小さなスペースです。そのため、ペットのための居場所を作ってあげる必要があります。持ち運びが出来るゲージを寝床として使っているお宅も多いので、ゲージを置けるスペースを設けることも出来ますし、小さくて暗くなるようなスペースをリノベーションの際の間取りに加えることも出来ます。
犬の場合は、階段下や造り付けの家具の下部など、デッドスペースと思えるような部分を使うことが出来るかもしれません。また、猫の場合は、キャットウォークを付けてロフトのような場所に寝床を作ることも出来ます。
寝床だけでなく、日中に日向ぼっこできるようなスペースを作っておくことも効果的です。その点で、インナーバルコニーはおススメです。マンションでも、タイルの床で土間スペースのインナーバルコニーを作ることで、庭が無くてもペット達が遊んだり寝転がったり出来る居心地の良い場所が作れます。
一般的な床フローリングはペット達にとって滑りやすく、足腰を傷める原因となっています。そのため、不必要に力を入れて歩いたり転倒したりすることを防ぐために、滑りにくい床材を選びましょう。例えば、滑りにくく水に強い素材で人気の床材にコルク材があります。タイルタイプのコルク床もあり、汚れた部分や傷ついた部分だけ張替えも出来て便利です。
また、クッションフロアも足腰に優しい素材です。水拭きも出来るので、トイレ周りなど部分的に敷くことも出来ます。一般的な家でも洗面所やトイレなど水回りの床材として人気なので、ペットのトイレも洗面所におけるように、造作洗面台にして下部にペット用のトイレスペースを作ることで、足腰に優しく、すぐに水拭き出来て衛生的にも良い状態を保てるようにリノベーションしておられる方もいます。
さらに、コロナ渦にあって、ペット達に対しても散歩など外出に気を使っておられる方は少なくありません。帰宅後すぐに手を洗えるように、自分達用に玄関近くに手洗い器を設ける方も増えていますが、その手洗い器をペットの足も洗えるような大きめのマルチシンクやシャワー機能付きの広めのシンクにしておくことで、家族全員が外で付いた汚れを洗い流すことができて便利です。
ペットのために快適な家にこだわりすぎると、いつの間にか人にとって住みにくい環境になることもあります。ペットだけでなく、家族全員が共に快適に暮らせる環境にすることも大事です。
共に生活していく中で問題となるのが、臭いや音です。動物の飼育が可能なマンションでも、臭いや音が近隣トラブルになることはあります。そのため、内装材に消臭効果や防音効果のある素材を選ぶようにしましょう。
消臭効果のあるクロスや、消臭・調湿効果のある珪藻土を壁材に使うことが出来ます。また、寝床となる空間やトイレスペースに換気扇を取り付けることも効果的です。さらに、吸音材を床材や壁材に使うことによって防音対策ができます。
ペット達には悪気がなくても、遊んでいるうちに爪で床や壁を傷つけてしまうことがあります。初めは壁紙や襖を何度も張替えていたものの、回数を繰り返すうちに、リフォームをお願いするのが面倒になったり、お金がかかったりするのが大変になって、傷ついたまま、破れたままになっているというお宅もあります。ペットがいるから仕方ないとはいえ、家の中は綺麗に、オシャレにしておきたいものです。ですから、この点でも内装材を傷つきにくいペット仕様のものを選ぶことがおススメです。
網戸へのいたずら防止に、破れにくく丈夫なステンレス製のネットをつかったり、ドアを無理矢理開けて傷がつくことを防ぐために、ペットドア付きのドアで移動可能にしたり出来るかもしれません。
先程、足腰に優しいクッション性のあるクッションフロアは、猫の場合は爪で傷がついてしまう可能性があります。ペットの種類によって向き不向きがあるので、ペット仕様とされている内装材でも、自分のペットに向いているかどうか検討したうえで選びましょう。
また、内装材の色選びも大事です。毛が抜けやすいペットの場合は、ダーク色のフローリングであれば、白っぽい毛が目立ちますし、反対に黒っぽい毛の場合はナチュラル系のフローリングでは目立ってしまいます。家族全員の健康を維持するために、定期的な掃除は勿論欠かせませんが、目立ちすぎて掃除に追われる感じにならないために、傷や汚れが目立ちにくい色の内装材を選ぶことも効果的です。
大事な家族であるペット達と共に暮らすためには、人も動物も、どちらにとっても快適な空間になる家作りが大切です。リノベーションの間取り変更の際に、自分達の個室や空間だけでなく、ペット達の居場所となる空間、散歩から帰ってきて汚れを落とせるような間取りを計画しましょう。また、ペット達の健康に配慮し、滑りにくい床材を選ぶだけでなく、汚れや傷が付きにくい素材を選ぶこと、防臭・防音効果のある物を選ぶことも大事です。
人だけが、反対にペットだけが快適な空間ではなく、家族全員にとって快適空間となる家をリノベーションによって手にいれましょう。