コロナ禍で新しい趣味として筋トレを始めた方、自分の体と向き合い、健康を意識して運動を始めたという方は多いのではないでしょうか?そのため、普段から筋トレしたい方や、毎日ジム通いが出来ない方が、自宅にジムを作る、ホームジムを検討される方が増えています。
ホームジムをどのように作ることが出来るでしょうか?
ホームジムがあると、自分の好きな時間に好きなだけ運動が出来ます。予約や順番待ちも必要ないですし、作ってしまえば使用料もかかりません。また、コロナで密になることや、接触を避けたいという方も安心して体を鍛えることが出来るというメリットから、ホームジムが人気になっています。
ホームジムのある家の間取りを考える際には、ジムで何をしたいか、どんな器具が必要かをまず考えましょう。ヨガのように器具を使わず、マットを敷くだけのスペースでよければ、それほど広いスペースは必要ありません。2帖ほどのスペースと、壁面に鏡があれば充分かもしれません。また、器具はダンベルだけという場合であれば、1畳でもまかなえます。しかし、器具をいくつか置く場合には、その分の広さと通路を確保する必要があります。器具の大きさや数にもよりますが、一般的に6~8畳ほどのスペースをホームジムに充てている方が多いようです。
広さに関して、器具に関しては考えておられる方は多いようですが、ダンベルやマットなどを収納する場所を考えていなかったという失敗談は少なくありません。収納場所がなく、器具を床に置くことになると実際に使えるスペースは狭くなりますし、つまずいてケガの原因になるなど危険です。健康のために作った場所でケガをしてしまうのは本末転倒です。器具やマット、タオルなどの収納場所や、タンブラーや携帯が置けるようなテーブルや棚の場所も含めて、スペースを考えましょう。
リノベーションの際には、ホームジムの部屋をどこに配置するかという点も考えてみましょう。ジムで運動をすると汗をかくので、すぐに汗を流せるように、浴室や洗面所への導線がスムーズなところ、最短で行ける場所にジム用の部屋を配置すると便利です。
また、パーソナルトレーナーとウェブを通してトレーニングをしてもらったり、動画を見ながら合わせて体を動かしたりする場合は、パソコンやテレビモニターが置けるスペースを確保する必要があります。ホームジムを独立した部屋にするのではなく、リビングに置いたテレビが見えるようにリビングと繋がった部屋にして、普段は間仕切り扉で隠せるようにしておくことも出来ます。ジムを使いたい時間や方法に合う場所に配置することが出来るというのも、家にジムを作るメリットと言えます。
今ある部屋を一時的にジムとして使う方や、DIYでホームジムを作る方、リフォームやリノベーションの際にホームジムを取り入れるにしても、ホームジム作りならではの注意点があります。
集合住宅の場合は踊ったり、動き回ったりする運動をするのであれば、下の階への音を意識する必要があります。ダンベルやバーベルといった器具を使う場合も、置いた時の音は予想以上に響いています。そのため、吸音材や防音材を床材として使う必要があります。
また、滑りにくいゴム素材のものを使ったり、傷が付きにくい素材を選んだりすることも重要です。さらに、運動目的の部屋であることを考えると、足腰に負担をかけない素材を選ぶことも必要です。
床材を張り替えるリフォームも出来ますし、既存の床材の上にジョイントマットを張ることや、敷き詰めることも出来ます。
鉄筋コンクリート造のマンションであれば心配ないかもしれませんが、木造や2階の部屋をジムにする場合、器具を入れるのであれば補強が必要になるかもしれません。バーベルなど100キロ以上の器具を揃えると、いつの間にか数百キロの負荷が床にかかる可能性があります。耐荷重を考えて、補強しなければ危険です。
建築基準法では、住宅の床の積載荷重量は1800N/㎡とされているので、1㎡のスペースに180㎏までの荷重としなければいけません。自分である程度計算して分散させることも出来ますが、耐荷重だけでなく構造上も問題ないかを、プロに確認してもらい必要であれば床の補強工事をしましょう。
補強が必要な箇所は床だけではありません。体の状態を確認するために、壁全面に鏡を設置したい場合は、鏡は意外と重いので、安全に、確実に設置するために壁の補強も必要です。
健康のため、筋トレのために、自宅にジムを作るホームジムが注目されています。ホームジムを作る際には、何をしたいか具体的に考え、必要な広さや内装材を決めましょう。今ある部屋をDIYでホームジムにする方も増えていますが、安全で運動しやすい環境を整えるためには、プロにリフォームをしてもらう方が安心です。また、リノベーションの予定があるなら、ホームジムにも使える部屋を間取りに取り入れることも出来ます。そうすれば、室内だけでなく、間取りや構造面からも最適なホームジムを設けることが出来ます。
安全・快適なホームジムを作って、好きな時間に自分のペースで健康な体作りに励んでみてはいかがでしょうか?