マンションか戸建てに関係なく、インナーテラスを設けるお宅が増えています。インナーテラスの場所や大きさ、用途によって、使い勝手の良いものとなるため、リノベーションの際に、間取りにインナーテラスを取り入れたいという要望は増えています。
特に冬や現代のコロナ禍にあると便利なインナーテラスとは何か、どんな間取りで、どのように使うと便利なのかについてご紹介致します!
テラスやバルコニーは一般的ですが、インナーテラスとは何が違うのでしょうか?また、インナーバルコニーとの違いについても知っておきましょう。
そもそも、テラスとはフランス語で「盛り土」という意味があります。日本では、コンクリートやタイル、レンガを使って地面から少し高くなっており、1階の室内の窓やドアと繋がっている屋外スペースのことを指します。それがインナー、内側にあるということなので、インナーテラスは、室内にあるテラス、屋根のあるテラスのことです。
インナーテラスの特徴は、外壁より内側に設けられているという点です。庭など、外壁より外側にあるテラスにガラス張りの屋根や天井を付けたものは、サンルームとして知られています。
室内側に設けることが出来るテラスなので、庭がないマンションのような造りでも、例えば今まで部屋だった部分をリノベーションすることによって、インナーテラスを設けることが出来ます。
似たような言葉にインナーバルコニーがあります。一般的にバルコニーは、建物の外面、外壁より外に張り出した2階以上にある屋根の無い屋外スペースのことを指しています。そして、それを家の内側に設けた屋根のあるバルコニーがインナーバルコニーと言われます。
インナーテラスとインナーバルコニーの違いは、設置される階数が違うだけで、屋根があることや室内側に設けられるという特徴は同じです。
そのため、戸建ての2階以上に設けたスペースに関してのみ、インナーバルコニーと限定して呼ばれることが多いですが、2階以上のマンションとはいえ、個人の住居がワンフロアのみとなるマンションの間取り内に設ける場合は、インナーテラスとも、インナーバルコニーとも呼ばれており、多くの場合、区別されて使い分けているという事は少ないようです。
中には、床を土間にして用途は屋外スペースのように使っても、完全に外壁で覆われ窓がある個室のようなスペースに関してはインナーテラス、室内側で屋根はあっても壁ではなく塀や柵だけのバルコニー要素が強い場合はインナーバルコニーと使いわけているデザイナーや会社もあります。
しかし、壁の種類や高さが、名称に関して建築法などで規定がないので、図面で、インナーバルコニーやインナーテラスという表記がある場合は、壁の高さや種類を確認しておきましょう。インナーテラスやインナーバルコニーにすることで完全に雨風がしのげると思っていたら、腰高までの壁で風の強い日は雨風が入ってくる場合もあります。名称で判断することが出来ない部分があるということです。用途や目的に合った壁の高さや造りのインナーテラスやインナーバルコニーにリノベーションしましょう。
リノベーションによってインナーテラスやインナーバルコニーを間取りに取り入れると、どんな点で便利になるのでしょうか?使い方と共にご紹介したいと思います。
寒さが身に染みる冬の時期でも、太陽の光を浴びたいという方、子どもを外で遊ばせたいという方、ガーデニングを楽しみたいという方にとって、インナーテラスを設けることで、寒さを気にせず屋外気分を味わえます。床の種類を変えて空間を区切っても、リビングとつなげることで、自然光の入る明るいリビングになり、インナーテラス側からもリビング側からも視覚的に広く感じるというメリットもあります。インナーテラスをタイルやコンクリート仕上げの土間にすることは、おしゃれなインテリアとしても人気です。
もちろん、寒い冬だけでなく、雨の日や花粉が飛ぶ時期、紫外線が気になる夏の時期など、一年中通して快適に屋外気分を味わいながら過ごせる空間となります。
また、現在コロナ禍で外出、外食がし辛くなったと感じている方にとっても、屋外リビングとして、インナーテラスを使い、家に居ながら気分を変える楽しみがあるという点でも、インナーテラスを設けることがここ最近、人気のリノベーションでの間取りとなっています。
元々、テラスやバルコニーを、洗濯物を干す場所として使っている方は多いのではないでしょうか?インナーテラスを作っても、その用途は変わらないかもしれません。むしろ、屋根付きのインナーテラスにすることは、家事目線からも役立ちます。
天候に関係なく、洗濯物を干すことが出来るので、毎日の家事の流れを崩さずにすみます。浴室乾燥機を利用する家庭も増えましたが、干せるスペースが限られますし、太陽の光の元で干したいという方は少なくないので、インナーテラスを洗濯物干しスペースとして使うことは便利です。
日当たりの良い場所にインナーテラスを設けることは勿論ですが、インナーテラスの横に洗濯機のある洗面脱衣所を設けたり、ランドリールームを設けたりすることで、家事導線を短くする工夫が出来ます。
外壁より内側、室内側にあって屋根のあるテラスやバルコニーのことをインナーテラスやインナーバルコニーと言います。天候やコロナに左右されないインナーテラスは、家族が安らげる空間としても、家事空間としても使え、ひと部屋で何役もの役割を果たしてくれる便利さや、部屋を広く明るくし、おしゃれな空間にしてくれることで、リノベーションの際にインナーテラスを取り入れることが人気です。
しかし、インナーテラスのメリットを生かせるかどうかは、位置やサイズ、他の部屋との導線次第です。インナーテラスがあれば絶対に便利というわけではないので、リノベーションの際には、間取りや用途をよく打ち合わせしておきましょう。