冬の結露の多い季節になると、調湿効果が期待できる内装材に注目が集まります。調湿機能があるものとして有名なのは、珪藻土ですが、最近はエコカラットという名前も知られてきました。水分をすぐに吸収してくれるバスマットやコースターなどのインテリア雑貨にも、珪藻土で出来た商品と、エコカラット商品が普及しています。
同じような機能をもつ珪藻土とエコカラットは、どんな点が違うのでしょうか?リノベーションやリフォームの際の内装材としてどちらを選べば良いのでしょうか?
まずは、珪藻土とエコカラットの特徴やメリットを知っておきましょう。
珪藻土は植物性プランクトンの一種である珪藻の化石が蓄積されて出来た粘土状の自然素材の塗り壁材です。壁に塗る際には、珪藻土だけでは固まる力がないので、凝固剤やつなぎ材を混ぜて使われます。珪藻土は、多孔質という無数の穴が空いていることから、湿気を吸収したり放出したりして調湿機能、消臭効果があります。また、抗菌作用やカビやダニの繁殖を防止する効果も期待できます。他にも火に強いという特徴をもち、七輪にも使われている素材です。
施工の際には、左官屋さんの手によって塗られ、模様やパターンを付けることが可能です。自然素材であることから、シックハウス症候群を防ぐ壁材として人気です。
エコカラットは住宅設備メーカーのリクシルから出ているタイル状の建材で、「多孔質セラミックス」という素材で出来た壁材です。土壁の素材をヒントに、珪藻土同様、空気を吸放出するナノレベルの穴があるタイルです。
調湿建材の登録を取得しており、調湿機能は珪藻土の約5~6倍、調湿壁紙の25倍以上もあります。さらに、調湿効果だけでなく、消臭効果もあります。また、ホルムアルデヒド低減建材認定も取得しており、珪藻土同様、シックハウス症候群の原因となる有害物質が使われていないため安心な建材です。
タイルのサイズやデザインは豊富で、和にも洋にも使えるラインナップになっています。モデルチェンジした、エコカラットプラスは、水に強く水拭きが出来るようになりました。
珪藻土とエコカラットどちらにもメリットがありますが、どちらが良いか悩んでおられる方は少なくありません。どうやって選ぶと良いのでしょうか?選ぶ際のポイントをご紹介したいと思います。
エコカラットは既製品として生産されている商品で、タイルです。そのため、デザインやカラーのラインナップがあるとはいえ、限られています。また、タイルの角張った形は張れる場所が限定されたり、固めの印象を与えたりするかもしれません。それに対して、塗り壁の珪藻土は、コテによる仕上げで表情のあるオリジナリティ溢れる壁に仕上げることが出来ます。曲線のあるパターンをつけることで柔らかで温かな印象を与えたり、着色して色を作ったりすることも出来ます。
もちろん、イメージしたデザインに出来るかは、職人さんの腕にかかっているので、良い職人さんに依頼することが重要です。
どちらも調湿機能がありますが、エコカラットは珪藻土よりさらに調湿機能が高いため、結露を発生しやすい部屋の壁材を選ぶ際や、カビやダニの発生を抑えることが最優先の目的であれば、エコカラットがおすすめです。
もちろん、エコカラット、珪藻土どちらを選んだとしても、家全体の断熱性や気密性が低くければ結露が起こりやすい状態には変わりありません。エコカラットにしたのに、カビが生えた、湿度が高い!という方もいらっしゃいますが、ただ内装材を変えれば良いわけではなく、調湿機能というメリットを最大に活かすために、内装材を変える機会に構造面の改善を意識しましょう。
どちらかひとつを選ぼうとせずに、両方を壁材として採用するという選択肢もあります。珪藻土の方が比較的価格も安いので、例えば、珪藻土をメインに壁材として使い、デザイン性のあるエコカラットをアクセントウォールとして使うことが出来るかもしれません。
部屋の壁の1面だけにエコカラットを張ることも出来ますし、テレビを設置している壁やニッチの中、飾り棚のある壁など、ポイントでデザイン性があるものや、カラーがあるものを選んで使うなら、コーディネートアイテムとしても使えます。
さらに、エコカラット商品の中には、幾何学模様やグラフィックが描かれたパネルタイプのものもあり、絵やポスターを飾るように壁に張れます。真っ白な壁に、エコカラットパネルを飾って北欧風やモダンテイストにすることが可能です。
調湿効果が期待でき、有害物質を含まない、体にも良い壁材として珪藻土とエコカラットがあります。職人さんによって好きなデザインに塗れる珪藻土は、決まったデザインは嫌だ、内装のデザインにこだわりたいという方におすすめです。しかし、調湿効果を特に期待するのであれば、エコカラットの方が効果的です。また、良いところ取りをして、珪藻土とエコカラットを組み合わせて使うという方法もあります。
どちらを選ぶにしても、表面上の調湿効果だけでなく家の構造面や、職人さんの腕や施工に左右されることも忘れないようにして選びましょう。
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いかがでしたか?珪藻土とエコカラット、それぞれの特性と選び方についてご理解いただけたでしょうか。あなたのお家やお部屋にぴったりの内装材を選ぶための、一つのヒントになれば幸いです。
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