中古物件や賃貸物件の中でも特に、人気を集めているのがリノベーション済物件です。内覧の時点で既にリノベーションされているリノベーション済物件を、物件探しの条件に挙げていらっしゃる方も少なくありません。
人気なだけにメリットはありますが、デメリットもあります。あえて、リノベーション済物件ではなく、中古物件を購入して自分の思い通りにリノベーションをするという方もおられます。物件選びや持家をリノベーションするうえで、リノベーション済物件を購入するメリットとデメリットを知っていることは役に立ちます。比較してみましょう。
リノベーションを行ったうえで中古物件を販売するリノベーション済物件ですが、そんな物件を購入することには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
リノベーション後の室内は完成した状態を確認できるので、生活をイメージしやすいというメリットがあります。一度見た物件は、記憶に残りやすいため、特に元々築年数の古い物件であれば、綺麗になった場合や間取りを動かした室内を想像するのは難しくなります。
しかしリノベーション済物件は、実際に部屋を見て広さや高さ、導線、デザインを確認できるため、イメージがしやすく物件を決めやすくなります。
物件を決めれば、その後にリフォームやリノベーションする必要がないので、すぐに住み始めることが出来るというのもリノベーション済物件の良さです。
物件購入費用だけでリノベーション費用がプラスにかかりません。物件購入後にリノベーションをする場合は、全体の予算から、物件費用とリノベーション費用を分けて考える必要があるため、中には予算内におさえるために、物件かリノベーションどちらかを妥協しなければいけなかったという方もいらっしゃいます。
既にリノベーション済物件であれば、予算内で物件を探す点で明確です。
キレイな状態にリノベーションされてしまうと、構造面や断熱性、防音面、雨漏りなどの見えない部分の問題が分からない可能性もあります。しっかりと見えない部分からリノベーションされていれば問題ないですが、問題があった部分を内装材でキレイに見せているだけの場合もあり注意が必要です。
リノベーション済物件は、リノベーションされていない物件に比べ比較的高く売られています。もちろん、リノベーションされて物件価値はあがっているので当然とも言えますが、キレイだから、デザイナーズ物件だから少し高いのは当たり前と、リノベーションというブランドゆえに割高になっている物件もあります。
実は中古物件を購入して、リノベーション会社に依頼して自分の気になる部分だけをリノベーションする方が、トータルは安くなる場合もあるのです。また立地条件は、それほど良くない物件でもリノベーション済というだけで、高くなっていることもあり、リノベーションというブランドとキレイな見た目だけに騙されて、相場より高い物件を購入してしまうデメリットもあります。
内装材をキレイにして、最新の設備が入り、古いかたちの間取りから流行りの間取りにリノベーションされているかもしれませんが、それが自分にとって住みやすい、ライフスタイルに合った家になっているとは限りません。せっかくマイホームを購入するのに、しかも、どっちにしてもリノベーションする中古物件なのに、自分にとって使い勝手の良い状態になっていないというのは、勿体ないかもしれません。
リノベーション済物件を購入することには、メリットがある反面、デメリットもありました。では、デメリットを解決するどんな選択肢があるのでしょうか?
築年数が経っている中古物件だからこそ、リノベーション前の状態を見ておくおとは重要です。可能であれば、リノベーション前の中古物件も視野に入れてみましょう。物件の中には、既にリノベーションプランが決まってはいるものの、工事前から売りだしているものもあります。
工事前の状態を見て家そのものに問題が無いかを確認しておきましょう。また、工事前であれば、ちょっとした要望を聞いてくれたり、オプションで自分好みの設備機器やクロスが選べたりするような場合もあります。特に物件探しから行うリノベーション会社であれば、自由度が高くなります。
さらに、予算内で調整し、自分好みのデザインや使い勝手にするのであれば、リノベーション済物件にこだわらない方が、物件の選択肢も広がります。
中古物件をリノベーションして住もうと思っているのであれば、新築を考えるように、必要な広さや部屋数、間取り、デザインなど物件を探す前にプランを立てておくことは効果的です。まず不動産屋ではなく、リノベーション会社に相談し、理想の家のプランを立てておくのです。そうすれば、家に条件を合わせるのではなく、条件に合った物件を探しやすくなりますし、物件が決まってからリノベーションまでの流れもスムーズに行えます。
大まかな希望が分かっていると、中古物件の内覧の際に、リノベーション担当者が同席して必要な広さが確保出来ているのか、希望通りに間取りをリノベーションすることが出来る物件なのか、さらには大まかなリノベーションの費用が分かっているので物件の購入費用とトータルで判断することもでき、予算内におさまっているかをプロの目線で確認してもらうことも出来ます。
人気のリノベーション済物件は、購入後の生活イメージがわきやすく、すぐに住むことができるというメリットがありますが、表面上キレイになっているため、構造面を確認できなかったり、相場より価格が高くなっていたり、自分にとって使い勝手の良い家になっていなかったりするというデメリットもあります。
せっかく中古物件を購入して住むのであれば、リノベーション前に物件を確認したり、リノベーション済物件ではなく、リノベーション自体も自分好みにできる方法を選ぶことがおすすめです。