リノベーションを行う場合、間取りやデザインを考えたり、設備機器を選んだり、前もってしっかりと計画や打ち合わせが必要となります。しかし、綿密なプランの打ち合わせをしている間にしたいことが増えたり、良い設備を求めたりしているうちに予算オーバーしてしまったという方は少なくないかもしれません。
予算内で、もっと言えば予算よりお得にリノベーションしたいと願っているのに、予算オーバーしてしまう場合はどうすれば良いのでしょうか?
打ち合わせ中の見積もり段階で、予算オーバーした際に確認すべきポイントについてご紹介したいと思います。
リノベーションしたい理由、目的を再度確認して下記の4つの部分から優先順位を考えると分かりやすくなるかもしれません。
●住宅設備機器
●内装材
●デザイン・技術力
●間取り
キッチンやユニットバスといった設備機器や床材、壁材といった内装材にはグレードがあります。リノベーションによって家事や掃除を楽にしたいという目的があるのであれば、お掃除機能搭載の設備や、汚れが付きにくいものや抗菌・除菌機能が付いているものを選ぶことを優先できるかもしれません。しかし、機能性にこだわりがないのであれば、スタンダードなグレードを選択することで費用をおさえられます。フローリングの色や幅だけでも費用が異なるものもあるので確認してみましょう。また、間取りをよく考えて案外価格の高いドアの数を減らすことも役立ちます。
しかし、シックハウス症候群にならないようにすることや快適な環境にしたいということがリノベーションの目的なのであれば、内装材を自然素材にすることは優先すべきことになるかもしれません。その場合は、内装材を妥協しないかわりに、間取りによって壁や床の面積を減らせないか、無垢フローリングの種類によって費用をおさえられないか相談してみましょう。洗面手洗い器などはメーカーの設備機器を使うより、自然素材で造作する方が安くなる場合もあります。
設備のグレードやデザイン、間取りなどの中で優先順位を決めて予算を調整していくことは可能ですが、予算内に合わせるためだけに、工事すべきなのに妥協してしまってはいけない部分もあります。それは、構造面や排水管、電線などの見えない部分の劣化や不備です。
新築と違いリノベーションの場合は、建物の構造面や排水管等の劣化が進んでいる可能性があります。リノベーションによってどんなに外観をキレイに仕上げても、見えない部分が整っていなければ地震の際に倒壊したり、キッチンやユニットバスは新しくまだまだ使えるのに水漏れや漏電によって工事が必要になったりする可能性もあります。
仮に、見えない部分の問題が分かって工事に含めたために予算オーバーしてしまった場合は、工事をすること自体を妥協しないようにしましょう。予算的に難しいのであれば、無理矢理リノベーションを進めるよりも、費用の計画やリノベーションの時期を見直すことも視野に入れましょう。
上記では、リノベーションのプランニングの際に、予算オーバーしてしまった時の対処方についてご紹介しましたが、予算オーバーしないために前もっておさえておきたいポイントもあります。
同じボリュームぐらいのリノベーションをしても、会社によって費用の差が大きいと感じたことはありませんか?使う素材や設備機器によっては、リノベーション会社に取引があるかどうかで費用や値下げ率が変わることがあります。また、自社には技術のある職人が少なく、外注でお願いしなければいけなかったり、設計・デザインに関しては外注したりするために、プラスで費用がかかっている会社もあります。会社の事情ゆえにプラスの費用が発生しなくて良いように、自分がリノベーションで最優先したい点に特化した会社を選ぶことは重要です。
例えば、自然素材で仕上げたいと思っているなら、自然素材に特化した会社を選ぶことが重要です。そうすれば、普段から自然素材を取り扱っていて、工事の経験もあるため職人さんが揃っているので、自然素材を使うことは、その会社にとって特別だったり、オプション的な扱いだったりしないため、スタンダードな費用や技術で行ってくれます。施工数も多いので、始めての現場調査時で工事内容と大まかな予算を教えてもらうこともでき、予算の計画も立てやすくなります。
また、中には大規模リノベーションを行ってほしいばかりに、施主様の予算を気にしない、むしろ予算オーバーしても当たり前のように見積りをする会社もあります。元々そのような気持ちで工事を行う会社に依頼してしまうと、費用のかかるプランばかり勧めてきたり、予算内で見積もりしようとしなかったりして、一向に予算に収めることが出来ない可能性があります。適正な価格で見積もりをしてくれるところ、早い段階で予算を確認し、予算内でプランニングしようとする会社を選ぶことが重要です。
リノベーション工事費に関しては、見積書通り予算内だったけれど、全体的に振り返ると、かなりの費用がかかってしまったという方は少なくありません。なぜなら、リノベーションに関係する費用は、設備代や工事費などリノベーション会社に請求される費用だけではないからです。
例えば、リノベーションをしたことによって固定資産税があがったり、不動産取得税がかかったりするなど、税金に影響する可能性もあります。また、リノベーション工事期間中に仮住まいが必要となる場合は、引っ越し代や、その期間の家賃もかかります。さらに完成した家に合わせて家具や雑貨を新調する費用が予想以上にかかる可能性もあります。
計画していた予算を大幅に超えるほど諸経費がかかる事があり得るのです。ローンの組めるリノベーション費用とは別に、すぐに支払いの必要なものや現金払いのものもあるので、前もって予算に組み込んでおくことを忘れないようにしましょう。
打ち合わせ中の見積もり段階で予算オーバーしているのであれば、まだ予算内に収めるように調整は可能です。初心に戻ってリノベーションしたい理由や目的を考えてみましょう。その目的をもとに、住宅設備機器・内装材・デザインや技術力・間取りといった部分を細かく見直すことで、オーバーしている部分の調整が図れたり、優先順位が明確になったりするかもしれません。また、予算オーバーすることなくプランニングが進められるように、目的に応じた会社や優良施工会社を選ぶことは重要です。
満足のいくリノベーションだったと思えるには、出来栄えはもちろんリノベーションにかかる費用も重要なので、予算を立てること、予算に従って進めることを意識しておきましょう。