オシャレな家にリノベーションする間取りとして土間スペースを設けることはトレンドになっています。土足で生活するスタイルは、海外のようでありながらも、広い土間のある玄関は、どこか懐かしい日本らしい家の特徴とも言えるスタイルです。そんな、いい所取りの土間のある家ですが、リノベーションの際に取り入れようと思うと、どれぐらいの広さ、玄関からどこまでを土間にすると良いのだろうか、と考える方は少なくありません。
家の中のどこに土間を設けると良いのか、また玄関からどこまでを土間空間にすると良いのでしょうか?
土間を設ける場合は、土間のデメリットや注意点を分かっていれば、自分の家にとってどこまでを土間にするのが良いのかを判断しやすくなります。
玄関から繋がる土間の場合は特に、靴などに付いた砂埃が入ってしまいます。居住空間まで土間が入り込んでいればいるほど、砂埃も室内に入りやすいことを覚えておく必要があります。
段差を設けて室内に入りにくくすることや、土間を水荒いが出来るようにしておくなどの対策をしておられる家もありますが、掃除の際に室内に砂埃が舞ってしまうかもしれないので注意が必要です。掃除の面倒さや衛生面が気になる方は、土間を広くとりすぎないことを意識すると良いかもしれません。
土間を設ける際の床材として、コンクリートやモルタルが一般的ですが、どちらも熱伝導率が大きいという特徴があります。冬の寒い時期などは、床が冷たく、特に玄関や窓と繋がっている部分は冷気が入り冷え込みやすくなってしまいます。
さらに、外と室内の温段差が原因で、土間部分の湿度が高くなってしまいます。湿度が高く結露が発生してカビが生じることもあります。そのため、土間を広くとる場合は、面する部屋の用途を考えること、また寒さ対策や湿気対策をしておく必要があります。
戸建てに限らずマンションであっても土間にすることは可能ですが、マンションの規約上、土間スペースや施工方法に規約がある場合もあります。管理組合に確認したうえでリノベーションする必要があるかもしれません。
また、自由に設けることができても、水洗いが出来るようにすることは難しいかもしれず、掃除方法も踏まえたうえで土間空間を検討しましょう。
リノベーションで土間のある家にする際の注意点をふまえたうえで、実際に間取りのどの部分を、どこまで土間にするのが良いのでしょうか?土間のある家にリノベした方のおススメをご紹介します。
一般的な半畳ほどの玄関だけでなく、プラス2帖程のシューズクローク内や、手洗い器までを土間空間として広めにとる方法は人気です。自転車を家の中で管理したい方やベビーカー、車椅子などを使っておられる方、またアウトドアが趣味の方などは、土間部分に収納すると便利なので、どれぐらいの収納量が必要かを確認したうえで、シューズクロークの大きさを決めれば、自ずと土間空間の広さも決まります。
さらに、コロナ禍で外から持ち帰ったものを、一度玄関で遮断する場所として利用したいという方の多くは、土間空間でコートを脱いだり、手を洗ったりします。帰宅時に数人が動いても邪魔にならない広さを確保しておくと、土間のメリットを最大限に活かしやすくなるかもしれません。
また、昔ながらの古民家のように、お客様と玄関先で座って話せるような空間にしておくことも出来ます。広い土間に、腰をかけられる高さの玄関ホールを設け、玄関先でもゆっくりと話せる空間にすることは人気です。
玄関から廊下までは全て土間という間取りも人気です。家の奥まで続く廊下や、窓際、外部に面している部分を土間の廊下にすることで、出先から帰ってきて土足のまま荷物をリビングに運んだり、ベランダに持って行ったりする時に便利です。窓沿いに設けた土間は、室内干しをする場所としても使いやすく、インナーテラスとしての役割も果たしてくれます。
また、大型犬などのペットを飼っておられるお宅でも、土間スペースをペットの居場所にして、室内に入らずとも、ぐるりと回れる土間の廊下で家中を動き回れるようにすることも可能です。
まるっきり逆の発想をすることも出来るかもしれません。それは、家の床は基本的に土間の空間として、寝室や畳のある和室だけを靴を脱ぐという、まるで海外のような土足スタイルにする間取りです。
リビングや客間など、人の集まる空間を土足にしておくことで、お客さんを呼びやすいというメリットもあります。また、自宅を仕事場、作業場として使っておれる方、スタッフの出入りがあるお宅は特に動きやすく掃除もしやすくなります。プライベート空間では靴を脱ぐことで、生活のメリハリもつくというメリットあります。
オシャレでインナーテラスとしての役割や、収納としての役割など幅広い用途で使える土間はリノベーションでも人気です。玄関を広めにとる土間にしたり、廊下としての役割をもった土間にしたり、家全体を土間メインにすることも出来るかもしれません。
しかし、室内に砂埃が入りやすくなることや、冷気が入りやすいこと、結露やカビに気を付けなければいけないなどのデメリットもあるので、家のどの部分を、どこまで土間スペースにするかは、よく考えたうえで決める必要があります。
見た目のカッコよさだけでなく、用途や使い勝手、掃除のしやすさなどをふまえて土間を取り入れてみましょう。