新緑の候となり、苗木を買ってきたり、植物を育て始めたりするのにちょうど良い季節になってきました。周りに自然が無い、庭が無いというお宅でも、室内で観葉植物を楽しんでおられる方は少なくありません。空気の浄化作用や癒し効果のある植物を、せっかく家で楽しむのであれば、植物が似合うオシャレな家に、かつ育てやすい環境にしたいものです。そのため、リノベーションのプランニングの時点から観葉植物などのグリーンを置く事を考えた間取りや、コーディネートを検討する方が増えています。
どんな家にリノベーションすることで、観葉植物が似合う素敵な家にすることが出来るのでしょうか?
室内で植物を育てる場合、置き場所やサイズ、家のインテリアテイストによって見え方が変わってきます。植物の似合う家にするためにはどうすれば良いのでしょうか?
室内でも様々な植物を楽しむことが出来ますが、沢山の植物を育てるのではなく、シンボルツリーのように、お気に入りの1本を中心に間取りやインテリアコーディネートを考えることも出来るかもしれません。植木鉢を囲むように家具を配置したり、大きく成長する木に合わせて、植物を配置する場所の天井を吹き抜けにしたりしているお宅もあります。自由に天井に吊るせるように、ダクトレールを設置して植物をハンギングすることも人気です。
飾りたい植物が決まっているのであれば、設備機器や家具のように、リノベーションのプランニングの際に図面内に入れておきましょう。はじめから位置を決めておくことで、導線や視界の邪魔にならないか、コーディネートとマッチしているかを確認することが出来ます。育てたい植物がどれぐらい成長するかを前もって確認して、スペースや高さを確保しておくことも重要です。
植物は、成長過程でどんな広がりや動きになるか分からないため、サイズやインテリアによっては、鬱蒼と雑然とした、整っていない雰囲気になってしまう可能性があります。グリーンを室内に置いた時に、オシャレに見せるためには、部屋の中でグリーンが映えるような内装材やインテリアコーディネートにしておくことが重要です。
植物が自然な雰囲気で馴染む部屋にしたいのであれば、内装材に自然素材を取り入れることがおススメです。無垢材のフローリングやシンプルでも味がある珪藻土の壁など、本物にしかない自然のものだけに囲まれることで、観葉植物が馴染む癒しの空間になります。家具も無垢のものを使うと統一感が増します。
また、植物のグリーンを引き立たせるのであれば、白を基調としたモダンテイストの内装も似合います。モダンな空間でも冷たすぎない温かな雰囲気を出すためにあえて、生活感のないモダンな雰囲気や無機質なテイストの中に植物を取り入れるという方法もあります。生活感の無いスッキリとした空間だからこそ、植物がメインとなる映える空間を作りだしてくれます。
植物が似合う家にリノベしても、上手く育ってくれなければ意味がありません。植物が似合うインテリアや内装材だけでなく、植物が育ちやすい環境を作っておくことも重要です。どんな点を意識出来るでしょうか?
様々な植木を育てたい方は、室内の一角に観葉植物を育てる空間を作ることが出来るかもしれません。部屋の間取りを考える際に、植木鉢をいくつか置ける日当たりの良い場所を確保し、棚を設けたり、掃除がしやすいように土間にしたりしているお宅もあります。リビングと繋がる位置にインナーテラスを設けることで、自然に囲まれたアウトドアリビングを楽しむ場所にすることも可能です。
また、日当たりの良さを求めて、窓沿いに置いたり、天井から吊るしたりして置くことを考えているのであれば、棚やフックを取り付けるだけでなく、鉢や植物の重さに耐えられるように天井や壁の強度を確認しておくことも重要です。また、エアコンの風が直撃するような場所では、植物が弱くなってしまう可能性があります。図面上の間取りでは見えない風の向きも確認しておきましょう。
雨など自然の中で育つ植物と違い、家の中で育てる場合は、お手入れ方法もよく考えておく必要があります。大きな観葉植物をいくつか育てる場合は、定期的な水やりが必要かもしれません。水を運びやすい導線も確認しておきましょう。植物を置くためのインナーテラスを設け、テラス内にマルチシンクを設置することで、水やりをしたり、土いじりをした手をすぐに洗えたり、便利になります。
ベランダや玄関の近くなど、外に近い場所に置く場合、虫が植物に付いてしまうこともありえます。植物が育って大きくなればなるほど、虫の駆除や鉢の植え替えなどの作業のために動かすことが難しくなります。ベランダに近い場所に置くことや、ちょっとしたお手入れをしても掃除がしやすいタイルなどの床材にしておくなどの工夫も必要です。
都心の中でも癒しを求めて、家の中で観葉植物を育てている方が増えています。家に合わせて植物を購入することも出来ますが、植物を育てたいと思っているのであれば、観葉植物が映える空間、植物が成長しやすくお手入れのしやすい間取に家を作るというのも、心地良い家を作る方法のひとつです。むしろ、育てたい植物の種類に合わせて、インテリアのテイストや内装材を決めるというのもおススメです。
植物の成長とともに、そこに住む人と家の歴史を楽しめるような、植物が似合う家にリノベーションしてみるのはいかがでしょうか?