リノベーションするにあたって、綺麗に片付く家にしたい!というご要望は多くあります。そのため、片付く家を目指して収納を増やしたり、大容量の家具を置ける配置にしたりする方は少なくありません。しかし、リノベーション後に生活し始めると収納場所を増やしたわりには、片付いてない気がする、という方は少なくありません。実は、片付かない家の問題点は、収納の容量だけではない場合が多いからです。
では片付く家にするには、どのような点を意識してリノベーションすれば良いのでしょうか?
片付く家にリノベーションする前にまずは、片付かない家の原因となる部分を確認しておきましょう。
片付かない家の原因のひとつには、掃除がしづらいとう点があげられます。家中の掃除のしやすさという点で、掃除機を使いやすい家にしておくことは重要です。しかし、掃除機をかけるにあたって使いやすい位置や高さにコンセントがない、というケースは少なくありません。掃除機をかけながら、何度もコンセントを付け替えなければいけないようでは、不便ですし効率も悪くなってしまいます。そのため、中には掃除機をかけることが面倒になり、身の回りだけを大きく掃除しだして片付かない家になってしまうことさえあります。
また、掃除機以外にも水回りに収納は増やしたものの、掃除用具を置くスペースが確保されず、使いたい時にすぐに取り出せないというお宅もあります。洗剤やトイレットペーパーといったストックは収納できていても、掃除道具が表に出ているなら片付いていない印象を与えてしまいますし、道具が邪魔で汚れがたまったり、掃除がしづらかったりするということもあります。家事導線の良さは、掃除のしやすさに加え、掃除道具の置き場所や取り出しやすさも影響します。
実は、それほど物が多いわけではないのに、片付かないというお宅もあります。それは、間取りや家具の配置が原因で、室内に凹凸が多いために、片付いていないように見えているだけかもしれません。収納棚の中身は同じでも、収納している物が見えているのと、扉があって中が見えずフラットになっているのでは、後者の方が綺麗に片付いて見えます。同様に、物の量ではなく、大小関わりなく、持ち物が整頓されていないことで片付いていない印象を与えているだけかもしれません。
さらに、間取りに関しても、梁や柱といった構造体を無くすことは出来ませんが、それらが目立つ部屋だったり、柱や梁のせいで家具の配置に凹凸が出来ていたりすると乱雑な印象を与えてしまいます。扉の高さやデザイン、色がバラバラになっている場合も同様にまとまったスッキリとした家からかけ離れてしまうかもしれません。
片付く家を目指して、掃除のしやすい家や整頓された空間に見えるようにリノベーションしましょう。そのためには、細かな点も意識したプランニングが重要です。どのような点を意識できるでしょうか?
掃除機をかける時に、どの位置にコンセントがあると便利か、どのぐらいのスペースまで線が届くかなどを考えたうえでコンセントの位置をプランニングしてみましょう。図面上、コンセントの位置は完璧だったのに、実際に住んでみると、家具や開き戸が邪魔で使えないということもあります。家具の配置やドアの開閉の向きなども確認しておくことが重要です。
また、充電タイプの掃除機を使っている方も増えています。掃除の際には、コンセントの位置を気にせずに使えるものの、充電する場所を考えていなかったために、掃除が終わっても、充電のためにリビングの目立つ位置に掃除機が出たままになってしまって片付かないという家もあります。掃除機を片付ける位置を決めておくことや、片付ける納戸に充電用のコンセントを設けておくことで、掃除以外の時は、掃除機を表に出すことなく充電でき、掃除の際にすぐに使える状態にしておけます。
室内の凹凸を減らすためには、リノベーションによって部屋の大きさや間取りを変えることが出来るのであれば、使いたい家具に合わせて、壁やドアの位置を配置して部屋の広さを決めることも出来ますし、市販の家具ではなく、家にピッタリ合うように、システム収納や造作家具で凹凸が出来ないようにすることも出来ます。
構造体による柱や梁の凹凸を目立たないようにするためには、梁や柱のある位置に間仕切り壁を設けたり、梁や柱と同じ奥行きで造作家具や棚を設けたりすることで、スッキリ、フラットな空間にすることが出来るかもしれません。
また、アクセントとして壁の一部にタイルを張ったりクロスの色やデザインを変えたり、メインとなるドアをデザイン性の高いものにするのはオシャレですが、全ての面の壁やドアを異なるデザインにしてしまうと、まとまりのない部屋になってしまい片付かない雰囲気になってしまうので、一面だけにおさえるようにしましょう。
片付く家を目指してリノベーションしたつもりが、収納を増やしても思った以上に片付かないままだったというケースがあります。その原因は、掃除のしづらさや掃除道具の取り出し辛さ、使いづらさが原因だったり、間取りや家具の配置によって空間に凹凸が多かったりすることにあるかもしれません。リノベーションの際には、掃除のしやすさを意識して掃除道具の置き場所を考えることや、掃除機が使いやすいコンセントの位置を確認するようにしましょう。また、造作家具を取り入れることや、柱や梁を活用した間取りにすることによって凹凸を無くし、スッキリとした片付いた印象にすることが出来ます。
片付く家を目指してリノベーションをする際には、片付かない原因をよく検討したうえでオーダーメイドのリノベーションをしましょう!