生活の洋式化が進み、少し前までは和室の無い家が増えていましたが、最近和室の良さに気づき、和室のある家を選んだり、リフォームで和室を新設したり、リノベーションの際に和室のある家を作ったりする方が徐々に増え、和室が再注目されています。

その一方で、和室というとどこか古臭いイメージや洋風な家の雰囲気に馴染めない気がして、和室を設けることを悩んでいるという方も少なくありません。しかし、これらのイメージは和室のデザイン次第です。おしゃれで洋風の家にも馴染む和室のある家に、どのようにリノベーションすることが出来るでしょうか？

和モダンでおしゃれな和室にリノベ

和室といってもデザインは様々で、和の趣を楽しむデザインにすることも、洋風の家に馴染むスタイルにすることもでき、おしゃれな和室が増えています。どのようなスタイルにすることでおしゃれな和室にすることが出来るか、ご紹介したいと思います。

■個室ではなく和空間が人気

和室を和の個室と考えると、真壁と言われる、木の柱や鴨居が見える趣のある部屋を想像してしまうかもしれません。しかし、最近は洋室の壁と同様、柱や鴨居が見えない大壁のままで、床部分を畳のある空間にすることで、洋室と統一感を保ちながらも和の雰囲気を楽しめる和空間を作り出すスタイルが人気になっています。

そのため、和室として一部屋作るというよりも、リビングの一角に畳のある空間を作り、間仕切り壁ではなく引き込み戸にして、普段はオープンに使い、和室として使いたい時だけ間仕切り戸を閉めて和空間を楽しむことが出来るようにしているお宅が増えています。また、あえて間仕切りを設けず、畳部分だけを小上がりにして空間を仕切るというスタイルも人気です。その点、正方形でへりが無い琉球畳であれば、半畳ずつ置けるので、比較的小スペースでも、畳空間を作り出すことが可能です。

さらに、今までの和室のように縁側があるような板間部分と畳部分を障子で分けるのではなくオープンにすること、縁側のようにインナーテラスや土間部分を畳スぺ―スと平行して設けることによっても、和空間のある洋風スタイルを作り出すことが可能です。

■床の間・仏間をアクセントウォールに！

以前は和室に当たり前にあった床の間や仏間ですが、本来の目的で使用する方が減り、和室に絶対必要なスペースではなくなっています。しかし、床の間のように和室を華やかにするスペースがあることは、和空間をおしゃれに演出するうえで効果的です。

そこで、床の間や仏間の必要性を感じないお宅では、壁の一面をアクセントウォールにして飾り棚を設置して、生け花などを飾れるスペースのある、おしゃれ空間にしています。畳の色のバリエーションも増えており、黒やグレーなどダーク色を市松模様に張り、アクセントウォールに赤の壁紙を張って、モダンな和空間をデザインしているお宅もあります。

おしゃれな和空間の作り方

和空間を作ることで、洋風の家にも馴染む和モダンにすることが出来ますが、さらに具体的におしゃれな和空間を作る方法をご紹介したいと思います。

■天井のデザインやカラーでおしゃれに仕上げる！

和室の天井には、様々な素材を使用することが可能ですが、和モダンな空間にするうえでクロスが人気です。大壁の洋風な空間でも、天井のクロスに黒やグレー、ネイビーといったダーク色を使用し、和室ならではの重厚感をもたせることが出来ます。自然素材を使ってリノベーションするのであれば、和室の天井にも無垢材を使うことで、統一感のある温かな雰囲気を保てます。

さらに、せっかくのスッキリとした天井には、和室の定番だったペンダントライトではなく、埋め込み型のダウンライトが似合います。中央に配置し、床の間やアクセントウォール部分だけスポットとして照らすこともおしゃれです。

■和室＝襖・障子とは限らない！

和の雰囲気を醸し出すアイテムとして、襖や障子といった和室用の扉があります。これらが和をイメージさせるものということは、洋室に馴染むようにするのであれば扉を襖や障子にしないということによって、モダンな雰囲気にすることが可能です。

モダンスタイルと融合するために、アルミフレームに、すりガラス調のパネルが入った建具を間仕切りに採用するとカッコ良い和空間を作り出すことが出来ます。鴨居があることからも、和室では1,800ｍｍ程の高さの低めの扉が使われることが一般的ですが、壁を大壁にして、2,000ｍｍ以上の建具を使うことでも、明るく広い空間にみえ、モダンな雰囲気にいっそう近づけることが可能です。また、障子を採用する場合でも、茶色の木枠ではなく、黒枠にすることで大正モダンのような和洋折衷なカッコよさを表現できます。

まとめ

デザイン性や使い勝手の良さから和室が再注目されています。そして、デザイン次第で洋風の家だから和室は馴染まない、和の雰囲気が強すぎるということはありません。扉の種類や畳のサイズやカラーなどもバリエーションが豊富なので、組み合わせによって、洋風にも馴染むおしゃれでオリジナリティ溢れる和空間を作り出すことが可能です。

和の個室としてだけではなく、和空間を作るつもりで型に縛られず柔軟にデザインし、リノベーションしてみましょう！