費用や工事期間のことを考えて大掛かりなリノベーションではなく、リフォームの方が良いのではないか、とリフォームかリノベーションかで悩んでおられるかもしれません。良い計画のうえにリフォームを行えば問題ありませんが、中にはリノベーションという選択肢を検討することなく、必要を感じる度にリフォームを行う、継ぎ足しリフォームを行って後悔を招いている方もいらっしゃいます。
そこで今回は、継ぎ足しリフォームが招く問題点や、後悔しないためのポイントについてご紹介したいと思います。
望んで行ったはずのリフォームで後悔をしたり、リフォームをすればするほど、納得いかなくなってしまったりする方がいらっしゃいます。それは、継ぎ足しリフォームが原因かもしれません。
継ぎ足しリフォームによって、残念なことに下記のような後悔に繋がってしまった方は少なくありません。
部分的なリフォームを繰り返すことで、クロスやフローリングといった内装材が揃わず、室内のデザインがバラバラになってしまったり、同じデザインのものを使ったものの、先にリフォームした部分の劣化が進んで色が違って見えてしまったりした方、また、その時期に一番安く手に入る設備機器を使ってリフォームしたことで、グレードやデザインが異なり、インテリアが統一感のないものになってしまい後悔する方は少なくありません。
大規模リフォームやリノベーションと違い、部分的なリフォームは1度の費用は安くすむかもしれませんが、何度も繰り返すことによって、トータルで考えると費用が高くなってしまっている場合があります。工事の箇所が違う場合でも、同じ職人さんが入る場合は、まとめて1度で工事する方が人件費は安くなりますし、クロスなどの内装材も無駄なく使えるので、細かな継ぎ足しリフォームよりも、1度のリノベーションの方がお得に出来るケースは少なくありません。
言われるままに、行き当たりばったりでリフォームをすることで、また予算を抑えるために少しずつリフォームを行ったことで、常に家のどこかを工事しているような状態になっているお宅もあります。本来、使いやすく快適に暮らせる目的で行うリフォームが、工事のせいで不便な状態が続く結果になってしまっています。
最も残念なことに、継ぎ足しリフォームによって段差が出来たり、間取りに凹凸が出来てしまい、導線が悪くなったりと、せっかくのリフォームで生活し辛くなったというケースさえあります。
これらの後悔は、リフォームを何度も繰り返すよりも、1度だけのスケルトンリノベーションを行うことで防げたかもしれません。
リフォームで後悔しないため、継ぎ足しリフォームにならないようにするために意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。
継ぎ足しリフォームによる後悔を招かないためには、家のメンテナンス時期やリフォームの時期を長期スパンで立てておくことが役立ちます。キッチンやユニットバスといった住宅設備機器には耐用年数、クロスやフローリングといった建材は交換や張替えの目安となる時期があります。それぞれが古くなる度に、リフォームをしていると、ダラダラと何年も続けてリフォームをしなければいけなくなりますが、数十年分のリフォームプランを立てておけば、まとめてリフォームできるところや、設備機器の交換のタイミングで間取りを見直して、スケルトンリノベーションを行なった方がお得に出来るのではないかなど、考えやすくなります。予算も組んでおけば、前もってリノベーションのために貯金することも出来るかもしれません。
さらに、リフォームやリノベーション計画を立てる際には、その家に住む人の家族構成やライフスタイルの変化も想定しておきましょう。子どもが巣立って夫婦2人になり部屋数が少なくても良い時期がくるかもしれませんし、介護が必要になってから手摺の取付けや段差解消機を設置するバリアフリーリフォームよりも、段差が初めからないユニバーサルデザインの家にリノベーションするタイミングで行っておいた方が、誰でも使いやすい家に備えることが出来るかもしれません。また、将来子ども世代に家を譲るのであれば、継ぎ足しリフォームをするよりも、家を譲るタイミングで子供世代の好みの間取りやデザインでリノベーションする方が、無駄のなく住みよい家を備えてあげることにもなります。
水漏れや雨漏り、設備機器の故障など、日常生活に影響することや緊急性の高いものは、すぐにリフォームしなければいけないかもしれません。また、大掛かりなリノベーションをしなくとも、部分的なリフォームで充分住みやすくなる場合も勿論あります。そのような場合は、ムリにリノベーションすることで、反対に後悔してしまうこともありえます。一方で、緊急性の高い工事や部分的なリフォームがきっかけとなって継ぎ足しリフォームが始まるということもあります。ですから、リフォームをしたいと思ったきっかけとなる工事部分と先で触れたリフォーム計画を照らしあわせながら、リフォームとリノベーションの場合のメリットとデメリットを出したうえで前もって比較しておきましょう。
金額がどれぐらいかかるのか、工事期間や時期などを確認することで、どちらがメリットになるかを判断しやすくなります。
家に長く住み続けるため、快適に暮らすために必要なリフォームはありますが、細かなリフォームを繰り返す、継ぎ足しリフォームを行うなら、後悔の原因になるかもしれません。継ぎ足しリフォームによって後悔を招かないために、メンテナンスやリフォームが必要な時期、家族構成の変化など、ある程度想定したうえで計画することで、リフォームやリノベーションにふさわしいタイミングが見えてくるかもしれません。また、継ぎ足しリフォームをする可能性が出てきたのであれば、よく比較することでリノベーションの方が満足できる可能性が高いと確認できるかもしれません。
継ぎ足しリフォームで後悔するのではなく、リノベーションによって満足のいく住まいを手にいれられないか、よく検討してみましょう。