リノベーションや室内のインテリアコーディネートの際に、窓回りのアクセサリをしっかり考えて計画しているでしょうか?意外と見落とされがちですが、窓回りのアイテムには工事が伴うものもあるので良い計画が必要です。特に集合住宅では、窓は共用部分になるため、内窓を付けない限り、窓のサイズや枠の色、デザインを変えることは出来ません。だからこそ、カーテンを含め、窓を彩るものの計画がインテリアにも大きく影響してきます。
では、窓まわりでリノベーションに関わるどのような物があるのでしょうか?どんな点を意識して、計画することで、より素敵な家にすることが可能なのでしょうか?
工事で既に設置されているレールにカーテンを設置するだけだと思っておられる方が多いかもしれませんが、レールにもデザインや色、設置方法など選択肢があります。
カーテンレールの設置方法には、窓枠の外側に取り付ける『正面付け』と、窓枠の内側に取り付ける『天井付け』があります。正面付はカーテンが窓全体を覆うことで、窓からの採光を遮るという点では効果的ですが、窓枠よりも飛び出ているため、窓ちかくにあるエアコンや棚、開き戸や折戸と干渉しないように、長さや位置を確認する必要があります。天井付けの場合は、レールより下にカーテンが付くことになるので、カーテンレールが目立ってしまうというデメリットがあります。壁やインテリアに合った色や素材のレールを選ばなければ、さらに目立ってしまうかもしれません。また、窓枠の幅が広く設置できる幅が必要なので、構造によっては、天井付けが出来ない場合もあります。
しかし、リノベーションでカーテンボックスを設けたり、天井を掘り下げたりして、天井付けにしてレールを丸ごと隠すという方法もあります。掘り下げ天井にする場合は、天井を作る工事が必要なので、前もって計画しておく必要があります。カーテンボックスは、見た目がスッキリするだけでなく、隙間風を防ぐという効果もあり、寒い地域ではカーテンボックスが当たり前に取り付けられているお宅も少なくありません。反対にリノベーションで、あえてカーテンボックスを外してインテリアの雰囲気を変える方もいらっしゃいます。
レールタイプ以外に、ポールタイプもあります。ポールは、両端に装飾が付いている物も多く、ンテリアコーディネートに反映させることも出来ます。素材も、南欧スタイルに似合うアイアンポールや、カントリー調や自然素材に馴染む木ポールなど様々で、インテリアテイストに合わせて、デザインや素材を決めるなら、より統一感のある部屋にすることが出来ます。
レール以外のものを設置する場合は、設置箇所や重さも変わってきます。そのため、リノベーションの際に、何を使ってカーテンを取り付けるか決めておけば、壁や天井の補強が行え、安全です。
窓にはカーテン、という固定概念がある方は多いかもしれません。しかし、インテリアのテイストや用途に合わせて、カーテン以外の選択肢もあります。カーテンの設置方法だけでなく、カーテンそのものを見直してみることも出来るかもしれません。カーテン以外にも、窓から入る明かりを遮ったり、目隠しをしたりする役目を果たせるものは下記のようにいくつかあります。
カーテンと同じく布製が一般的で、幕のように上下に開閉できます。閉めている時はフラットに、開けている時は、上部にアコーディオン状に畳まれた状態になります。エレガントな雰囲気を醸し出せるため、ヨーロピアンスタイルに人気です。カーテンレースのように、レース生地とセットになったダブル式を使えば全開にしてもレースによる目隠しが可能です。
何枚もの縦水平、もしくは横水平の羽根を組み合わせて出来ているブラインドは、開閉せずとも、羽根の角度を変えることで採光が出来るので便利です。
羽根はアルミ製や木製、布製など素材が様々なので、取り付ける部屋に合わせて、機能やデザインを考えましょう。また、素材によっては重くなってしまうので、設置場所の壁や天井の強度を確認し、補強しておく必要もあるかもしれません。
カーテンとブラインドのいいとこどりが出来ると、人気なのがプリーツスクリーンです。プリーツ加工が施されており、プリーツを畳みあげながら開閉します。色やデザイン、機能などラインナップも多く和室や洋室、様々なテイストに対応できます。
ロール状になった1枚の布を上下に動かすことで開閉できます。閉めた時に凹凸が出来ず、スッキリとすることから、モダンテイストの家に人気です。しかし、全開しない際には、風に揺られると、大きく動き、窓を傷つけてしまうので、開閉が少なく採光メインの窓や、開閉できないFIX窓に使うのがおススメです。
カーテンと同様、正面付けと天井付けがあり、設置の種類によってインテリアの雰囲気も変わります。カーテンレールに取付けできるタイプもあります。
和室であれば、窓の内側に障子を付ける、内障子を採用することで、和空間に馴染む窓にすることが可能です。さらに、内障子を上下に開閉できる雪見障子タイプにしておけば、内障子自体を開閉せずに、採光できたり庭の景色を楽しんだり、和の趣を感じられる空間になります。
戸建てであれば窓そのものを変えるという方法もあります。窓ガラスをすりガラスやステンドグラスに変えたり、目隠しフィルムを貼ったりすることで、カーテンなどをあえて付けずに常に明かりが取り入れられるようにすることも出来ます。
窓の内側にカーテンやシェードが付けないことで、部屋を広く見せることや、外の景色を一日中楽しむことが出来て開放的な空間に出来るというメリットがあります。防犯や時間帯によって人目が気になる場合は、窓の外側にシャッターや雨戸を付けておくという方法もあります。
リノベーション工事後、気づけばカーテンレールが付いていたというように、特にデザインや種類を聞かれることなく、窓まわりアイテムが決まっていることは少なくありません。しかし、種類やデザイン、設置の仕方によってインテリアの雰囲気を大きく変えることが出来ます。工事にも影響する部分なので、リノベーションの間取りやインテリアを決める時点で、窓まわりのアイテムも一緒に考えておきましょう。
そうすることで、よりオリジナリティ溢れる、お気に入りの空間を生みだせます。