リノベーションの際にキッチンを選ぶ、レイアウトを決めて配置する方は多いかと思います。キッチンには様々な種類やメーカー、サイズがありますが、その中でもあえて間口が90~150cmのミニキッチン(コンパクトキッチン・ハーフキッチン)を選ぶという方もいらっしゃいます。ミニキッチンというと、会社の給湯室やワンルームの使い辛いキッチンをイメージするかもしれませんが、最近はファミリー世帯や1LDK以上の間取りの家などでも、メインキッチンとして取り入れられています。
リノベーションでミニキッチンを取り入れることにはどんなメリットがあるのでしょうか?ミニキッチンを設置する際の注意点を含めて、ご紹介したいと思います。
家の面積に関係なく、あえてミニキッチンを選んで設置する理由は何でしょうか?ミニキッチンのメリットや特徴が分かる人気の理由に迫ってみましょう。
シングルライフを楽しんでいる方や、夫婦共働きのお宅では、家では食事をしない、軽食を作れる程度の広さがあれば、大きなキッチンは必要ないという方が増えています。外食する場所やフードデリバリーも充実してきたため、冷蔵庫も置かないという方も増えており、キッチンやダイニング空間のないリビングだけで充分と感じている方もいます。
そのような方にとって、キッチンによってLDKのスペースをとられるよりも、キッチンのサイズ分リビングを広くとったり、趣味のスペースにあてたり、一般的なサイズのキッチンよりミニキッチンを取り入れた方がライフスタイルに合った家にリノベーションすることが出来ています。しかも、ほとんど料理はしないものの、キッチンを無くすのは不安という方にとって、本体価格が10~20万円程が相場のミニキッチンは、一般的なキッチンと比べると低価格で費用を抑えられるというメリットもあります。
都心のタワーマンションや、二世帯住宅の中ではセカンドキッチンとしてミニキッチンを設けるケースが増えています。キッチンに移動せずに、寝室や仕事部屋で軽食を作れるように、また家飲みをする趣味部屋などにセカンドキッチンを置くうえで、コンパクトなミニキッチンは人気です。ゲストルームにミニキッチンを設けたり、アウトドアリビングとして使える土間部分やバルコニー近くに設けたりするケースも増えています。
また、二世帯住宅で両親の部屋に設置したり、3階建ての家やメゾネットタイプのマンションでフロアごとにキッチンを置いたりするうえでミニキッチンを選ぶ方もいらっしゃいます。さらには、子育て中の親御さんが離乳食を作るうで、また介護中で目が離せないという方にとって、移動が短くてすむ位置にセカンドキッチンがあると便利と感じている方も少なくありません。
では、実際にリノベーションでミニキッチンを設置する際には、どんな点に注意すべきでしょうか?
ミニキッチンの中にも、サイズだけでなくオプションなど取り扱いメーカーや種類によって特徴があります。何のために、どこに設置するのかを考えたうえで、適したミニキッチンを選ぶようにしましょう。
ワークスペースや寝室、ゲストルームなどに設置する場合は、コンロや冷蔵庫付きのミニキッチンを選ぶと便利です。介護用や離乳食を作るためであれば、コンロ無しでシンクが広いタイプの方が使い勝手が良いかもしれません。二世帯用やアウトドアリビング用であれば、しっかり料理が出来るように換気扇付きのものを選ぶなど、オプションも意識しておくことは大事です。
加えて、部屋のテイストに合うようなデザインや扉の素材を選ぶことも大切です。オールステンレスのモダンなデザインのものや、木目の温かな雰囲気のものなどテイストに合ったメーカーを選ぶことも出来ますし、こだわってオーダーメイドで作ることも出来ます。オーダーメイドであれば、デザインだけでなく、デッドスペースに入るようなピッタリのサイズのものを作ることも出来てリノベーションにピッタリです。
ただし、一般的なキッチンよりも本体価格が安く抑えられるつもりでミニキッチンを選択したつもりでも、オプションや機能にこだわりすぎてしまったために、価格が高くなってしまうこともあります。シンプルなシステムキッチンの方が安かったという失敗談もあるので、予算を意識しておくことも大事です。
ミニキッチンでサイズが小さくても給排水工事など一般的なキッチンと工事の内容は同じです。そのため、マンションの規約上キッチンが設置出来ないと言われる部屋や水回りを移動出来ない物件では、ミニキッチンでも設置することは出来ないので注意が必要です。
また、コンロの種類によって設置出来るかどうかの確認も必要です。セカンドキッチンの場合は特に、メインのキッチンでIHを使っていて、さらにセカンドキッチンでもIHを使うと電気容量が足りなくなる場合もあり工事が必要になるかもしれません。ガスコンロであれば、ガス管を通す工事が必要になります。キッチンのサイズが小さくても水道工事や電気工事、ガス工事などは必要となるので、設置するスペースがあるかどうかだけでなく、配管が通っているかどうか、その工事にどれぐらいの費用がかかって、他の部屋にどれぐらい影響するかの確認をしておきましょう。
家で食事をしない、料理をほとんど作らない世帯や、ホームオフィス用や二世帯住宅用を中心にミニキッチンを取り入れたリノベーションが注目されています。コンパクトで、デザイン性があるミニキッチンも増えているため、ライフスタイルと家のテイストに合わせて選び、取り入れることが出来ます。セカンドキッチンとして使う場合は、水道工事や電気工事、ガス工事の問題がないか、確認したうえで設置しましょう。
サイズをコンパクトにすることでライフスタイルに合わせたり、2つあることで生活しやすくしたり出来るキッチンとして、ミニキッチンを取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか?