中古マンションに対して、築年数が古い=長く住めない、というイメージを持っておられる方は少なくありません。出来るだけ新品で、キレイなマンションの方が長く住めるのではないか、せっかく若いうちに家を持とうと思っているのだから、長く住める新築の方が良いのではないかと考える人もいらっしゃいます。
しかし、本当に中古マンションは長く住めないのでしょうか?若いうちに購入する物件としてふさわしくないのでしょうか?中古マンションの実情をご説明したいと思います。
中古マンションを購入すると長く住めないと言う方もいらっしゃいますが、事実なのでしょうか?
中古マンションは新築マンションに比べて寿命が短くなるのは当然です。しかし、そのことが長く住めない理由になるわけではありません。長く住みたいと思っている場合、何年住むことを目標としているかが重要です。
国土交通省の調べによると、取り壊されたマンションの平均寿命は68年で、鉄筋コンクリート造のマンションであれば、良いメンテナンスと管理が行われていれば100年以上は維持できると言われています。その点を考えると、100年もつマンションを、20歳で新築を購入すれば120歳まで、築20年の中古マンションでも、100歳までは住めるということになります。しかし、反対に新築でも管理状態が悪く50年ほどしかもたなければ70歳で建て替えを経験することもあり得るのです。
100歳まで住み続けたいという目標に対して、中古マンションだから長く住めないのではなく、管理状態が良いかどうかが影響しているのです。しかも、新築に関しては今後どのような管理を行うかが分かりませんが、中古マンションであれば、今までの管理状態からこれからも良い状態が保てるかどうかの判断がつきやすいというメリットがあります。今まで良い状態を保てている中古マンションであれば、それこそが長く住める証拠になるのです。
中古マンションが長く住めないと思っている方の中には、間取りやセキュリティーが現代のライフスタイルに既にあっていないため暮らしづらいと感じていることに原因がある方もいらっしゃいます。
例えば、核家族や一人暮らしが多い現代で、築年数が古いマンションは、部屋数が多く、細かく仕切られたファミリータイプが多かったり、防犯が意識される中でオートロックやカメラ付インターフォンではなかったりするのは、不便だと感じるかもしれません。また、洗濯物は部屋干しするのが当たり前の人にとっては、大きなバルコニーに魅力を感じず、浴室乾燥機のないお風呂は論外だと思うかもしれません。キッチンやトイレなどの設備機器の性能が時代遅れの物件もあります。ネットが無い家、宅配ボックスが無い家、シューズクローゼットやウォークインクローゼットが無い家は、都会に居ながら今後不便さを増していくと感じる方は少なくありません。
しかし、これらの問題は中古マンションが長く住めないのではなく、ライフスタイルに合っていないために暮らしづらい原因というだけです。マンションそのものには問題がありません。しかも、家の中の問題であれば、リノベーションを行うことによって住みやすく変えることが出来るので、長く住みたいと思える家になる可能性があります。
中古マンションであっても、賢く物件を選べば長く住める家になります。さらに、リノベーションをするならより長く住める家になります。なぜでしょうか?また、どのような点を意識すると長く住める家にすることが出来るのでしょうか?
新築マンションを内覧すると、キレイで劣化している部分がないため、長く住めるということを実感するかもしれません。しかし、長く住みたい、と思わせる要素はどれだけあるでしょうか?中には、新築でもすぐに内装のデザインや間取りを変える必要があると、内覧の時点で考えている方もいらっしゃいます。実際に、オプションでレイアウトや設備機器を変えられるようになっている新築マンションは少なくありません。
しかし、内覧の時に時代遅れで劣化を感じる中古マンションであっても、時間をかけてリノベーションのプランを練り、ライフスタイルに合った間取りや、好みのテイストの内装に仕上げた家にリノベーションし終えた時は、これで長く住める、という感情よりも、ここに長く住みたい!と思わせるものになっているはずです。
長く住める家にするためには、ただキレイな家を探したり、新品のようにリフォームしたりするよりも、お気に入りの家になるようにリノベーションすることの方が大事です。新しいということにお金をかけるよりも、長く住みたいと思える家づくりにお金をかけた方が、長く住める家になるケースの方が多いかもしれません。
中古マンションの設備機器はデザインが時代遅れで機能も最新のものではないかもしれませんが、リノベーションで新品にするなら、設備機器に関しては新築と同条件になります。しかも、新築であれば好みではないデザインや必要のないオプションが付いていても新品という理由から交換するのは勿体ないと感じ、そのまま使う人の方が多いかもしれません。しかし、中古であれば気兼ねなく新品に交換し、好みのデザインで必要な機能がついたものにすることが出来ます。
そのうえ、リノベーションで設備機器が新しくなるだけでなく、間取りに合うものに出来るので、ライフスタイルに合ったものになります。さらに、将来のことも考えたリノベーションをすれば、今だけでなく長く住める家になります。
中古マンションは長く住めないと感じている人は少なくありません。しかし、実際には管理状態が良ければマンション自体は長くすむことが出来たり、設備機器や間取りをリノベーションしたりすれば、現代の暮らしにあった家にすることができて、長く住める家、長く住みたい家になります。
中古マンションは長く住める家かどうかを判断しやすく、リノベーションをすることで、長く住みたいお気に入りの家になるのです。