トイレリフォームや、リノベーションで新たにトイレの位置を動かしたり、広くしたりする際に手洗い器をトイレ内に設けるかどうか悩む方は少なくありません。トイレ内の手洗い器に関しては、設けるのは当たり前な要る派と、手洗い器はトイレの外でも問題ない、要らない派に分かれ、人によって理由や重要視する部分は様々です。
トイレ内に手洗い器は必要なのでしょうか?設けることにどんなメリットやデメリットがあるのか、また設ける際の注意点もご紹介したいと思います。
トイレ内に手洗い器が必要かどうかを決めるうえで、設けた際のメリットとデメリットを知っておくことが役に立ちます。どんなメリットやデメリットがあるのかをご説明したいと思います。
●トイレ内で全てが完結して衛生的・・・トイレの中で手を洗って出るので、汚れた手でドアノブに触れることもなく、トイレの外に菌が出るのを最小限に抑えることが出来て衛生的です。トイレを終えて手を洗うまでの移動もないので導線も最短です。しかも、トイレ内に手洗いがあることで、子ども達に手洗いの習慣が身に付きやすいというメリットもあります。
●手洗いのためのスペースが他に必要ない・・・仮にトイレ内に手洗い器を設けないとすれば、トイレの外に手洗い器が必要となります。洗面所が近くにある場合は、トイレ後の手洗いと兼用することが出来るかもしれませんが、近くにない場合は手を洗うために移動しなければいけませんし、トイレ用の手洗い器を設けるのであれば、そのスペースが必要となり、トイレ外のスペースが狭くなってしまうかもしれません。トイレ内に手洗い器を設けることで導線がスムーズになったり、使いやすい間取りや充分なスペースをとったりできるというメリットがあります。
●タンクレストイレが使えてオシャレ・・・トイレ内で手を洗いたい人にとって、手洗い器を設けないのであれば、手洗い器付きの便器を選ぶことになり、便器の選択肢が狭くなります。しかも、スッキリとしてオシャレなタンクレストイレを選ぶことが出来ません。しかし、手洗い器を設けることでタンクレストイレが使えます。タンクレスにすることで、トイレにある窓と緩衝することなく明るく広い空間に見えたり、便器背面に設けたアクセントクロスがキレイに映えたり、人気のペンダントライトを設置してもバランスが良かったりと、デザイン性の良いオシャレなトイレにすることが出来ます。
●トイレが狭くなる・・・壁埋め込みタイプやコンパクトタイプの手洗い器もあるとはいえ、物理的にも感覚的にも、手洗い器がある分トイレは狭くなってしまいます。
●掃除がし辛い・・・トイレが狭くなると同時にトイレ掃除もし辛くなります。手洗い器が無い場合と比べて床や壁に継ぎ目がでますし、凹凸も増えます。また、手洗い器がコンパクトであればあるほど、手洗い器自体の掃除がし辛く、衛生面が気になるかもしれません。
●水はねで床や壁が汚れやすい・・・手を洗う際の水はねがトイレ内の床や壁に付着します。幼い子どもがいると手が届きづらいために水浸しになったり、洗面所と比べると比較的狭いトイレは濡れた手で壁やドアを触ってしまったりして、汚れやすい環境です。特にコンパクトな手洗い器では、場所はとらないものの、実用性という点では、大人の手には小さすぎて周りに水はねしやすく、こまめな掃除が必要になるかもしれません。
リフォームやリノベーションでトイレ内に手洗い器を設ける際に、どんなことに注意すれば、使いやすくオシャレなトイレにすることが出来るのか、ご説明したいと思います。
出来るだけトイレ内の手洗い器に関するデメリットを最小限に抑えるためには、水はねを防ぎ掃除がラクに出来る手洗い器を選ぶことが重要なポイントです。
例えば、水栓の中には、水はねしにくい自動水栓のものがあります。蛇口を触る必要がないので、水が落ちるのを防げますし、衛生的なうえ、自動で水量や出方が調整されるので、人による出し方の違いによって水はねしやすいなどの心配もありません。
また、カウンターと置き型タイプのボウルはオシャレで使いやすい広さかもしれませんが、ボウルとカウンターの隙間に水や汚れが溜まるうえ、手が入り辛く掃除がしにくいというデメリットがあります。ボウルは埋め込み型のものや、カウンターと一体型で出来るだけ継ぎ目や凹凸のないデザインを選ぶことがポイントです。
手洗い器をトイレ内に設ける場合は、手を洗うことに付属するものもトイレ内に置かなければいけない、ということを覚えておかなければいけません。
例えば、手拭き用のタオルや石けんはどこに、どのように置くでしょうか?手洗い器を設置する場所をギリギリ確保できたものの、石けんやハンドソープを置く場所がない事に生活し始めてから気づき、棚を後付けした結果、さらにトイレが狭くなってしまったという失敗ケースがあります。また、タオルを掛ける場所が手洗い器から遠くなってしまい、結局床が濡れてしまうというケースもあります。
使いやすく掃除がしやすい衛生的なトイレにするためには、サイズを重要視しすぎてコンパクトにするよりも、少しサイズが大きくなってもカウンターが付いていたり、タオルバーがセットになっていたりする手洗い器の方が使いやすいという場合もあるので、手洗い器単体ではなく、必要になる付属品もセットで考えるようにしましょう。
トイレ内に手洗い器を設けることによって、トイレ内で手洗いまで完結して導線が短く衛生的なことや、トイレの外に手洗いスペースを作らずにすむこと、タンクレストイレが設置できてオシャレなトイレを作りやすいというメリットがあります。その一方で、トイレが狭くなってしまうことや、掃除がし辛いこと、水はねによって汚れやすいなどのデメリットもあります。トイレの中に手洗い器を設けるかどうかを考える際には、メリットとデメリットを確認して暮らしや間取りに合う方を選びましょう。また、トイレ内に手洗い器を設ける際には、水はねを防ぎ、掃除がしやすいように自動水栓を選ぶことや、ボウルとカウンターが一体型の手洗い器を選ぶこと、付属品の置き場まで考えることによって、デメリットを最小限に抑え、使いやすいトイレにすることが出来ます。
トイレ内の手洗い器が要る派か要らない派かどうかをよく考えて、暮らしに合わせたオーダーメイドなトイレにリフォームしましょう。