住まいに関する夢や理想をもって、リノベーションを行うことを楽しみにしている方でも、残念ながら、工事が終わってみると疲れ切ってしまったり、満足できない家になっていたり、などの後悔の声を聞くことがあります。
リノベーションで後悔しないように、とも言われますが、本来は後悔しないことはもちろん、満足できる家になるのが理想のはずです。リノベーションで満足が出来る間取りの家にするためには、どんな点を意識して進めていくとよいのか、打ち合わせ時のポイントをご紹介したいと思います。
満足できる家になるかどうかは、優良リノベーション会社選びに加え、どのように打ち合わせを進めていくかどうかが大切なポイントになります。どんなに技術力のあるリノベーション会社でも、どんなに自分の中で完璧なイメージが出来ていたとしても、互いに良いコミュニケーションが取れる打ち合わせが行えなければ意味がありません。どんな点を意識して打ち合わせを行うべきなのか、ご説明したいと思います。
リノベーションをしよう!と決めると、様々な理想的な間取りやテイストが思い浮かぶかもしれません。ネットにも情報が溢れていてオシャレな家が多いので願望が膨らんでいくものです。その理想を打ち合わせの段階で担当者に伝えることは大事なことです。しかし、理想や要望だけを語ってしまうと危険です。
注文住宅で新築をするのであれば、その方法でも問題ないかもしれませんが、現在住んでいる家や、中古物件を暮らし方に合わせてリノベーションをするのであれば、現在の暮らしでの問題点や不便な点を伝えることも大切です。中には、自分が考えている間取りが、その問題点を解決するものになると思う場合もあるかもしれませんが、リノベーションの知識や経験が少なく、家の構造をよく知らない人の場合、意外と自分では気づいていない問題点が不便さの根本原因である場合もあります。
理想を語るだけではなく、暮らしの中の問題点を伝え、プロの目線や経験ある第三者の目線で見てもらうことによって、要望していた間取りよりもさらに良い間取りを提案してもらえ、満足度の高い家づくりになることは少なくありません。
問題点を伝えることは大事ですが、だからと言って問題点のみを伝えてしまうと、問題を解決できる家にリノベーションすることは出来るかもしれませんが、それが自分にとって心地良い場所にならない場合もあるので注意が必要です。
リノベーションは、修繕や改修目的のリフォームとは違い、付加的価値を与えるために行う工事です。ただ解決するだけではなく、自分にとって価値のある満足できる家にするためには、デザインやテイストなど自分の好みが反映され、ライフスタイルに合った家にする必要があります。
ですから、要望だけもしくは問題点だけ、というどちらか一方だけを伝えるのではなく、家の中で感じていることと理想の全てを伝えることを意識しましょう。初回の打ち合わせでは特に、話過ぎたのではないか?と思うぐらいの方が、担当者と情報共有が出来て、イメージとプランの相違を埋めることが出来たり、今後の打ち合わせをスムーズに進めたりするうえで効果的です。
要望や問題点をしっかり伝えたうえで、その後は細かなプランの打ち合わせへと進んでいきます。その中でも、満足できる家にするうえで抑えておきたいポイントがあります。プランニング中の打ち合わせで意識しておきたいポイントをご紹介したいと思います。
口頭だけで説明されたり、建築的要素が強い部分の打ち合わせになったりすると、理解しづらいと感じることもあります。しかし、中には初回の打ち合わせで理想や問題点をしっかり伝えてあるし、専門家だから分からないことがあっても、任せていれば安心と思って、分かるまで説明を求めることや確認をしなかったという方もいらっしゃいます。
しかし、分からないことがあるまま工事に入ると、満足できる家にならない可能性が高まります。分からないことがあるのは、リノベーションでは当然だと思って、分かるまで説明をしてもらいましょう。内容によっては口頭だけでは難しいこともあります。理解しやすいように、施工事例や実物を見せてもらったり、図面やパースを使って説明してもらったり、説明の方法を変えてもらうように要望することも出来ます。
また、何が理解できていないかも分かってないのではないか、と感じることや、本当に自分のイメージが伝わっているのだろうか、と感じることもあるかもしれません。互いに理解しているか、相違がないかを判断しやすくするために、打ち合わせの際には出来るだけメモをとり、記録を残すことや一緒にメモを確認することは役に立ちます。担当者と共有するメモに、打ち合わせ中に感じた疑問点や問題点も具体的に書いておき、理解できればチェックするようにしてみましょう。その方法によって、確認のし忘れを防いだり、担当者が次の打ち合わせで説明できるように準備しやすくなったりします。
打ち合わせが進むと、何度もプランを修正しプラン数が増えたり、自分でも情報を集めるので、沢山の施工例を見たりして、何が良いか分からなくなってしまうという方は少なくありません。SNSにも情報が多く、打ち合わせの度に調べてしまったので、SNSに踊らされてしまい大変だったという方もいらっしゃいます。また、初めは楽しかったリノベーションの打ち合わせも、話しあう度に家族で揉める時間になってしまうという残念なケースもあります。
溢れる情報に振り回されないため、打ち合わせも楽しく、満足しながら進めていくためには、リノベーションをする目的を忘れないようにすることが大切です。何度も打ち合わせを行うことや、細かなことも決めなければならないことを考えると、定期的にリノベーションの目的や、優先順位などを確認するようにしましょう。ネットで調べることが好きな方や、好みのテイストの幅が広い方、優柔不断になりやすいかも、と思う方は特に、リノベーションの目的と優先順位をリスト化したものを作っておいて、2週間に1回は見直す、とかリノベーション会社と打ち合わせする日には事前に家族でリストをチェックする、など具体的に目的を確認する日を決めておくなら、冷静に自分の暮らしにあった理想の家にリノベーションしていく点で役立ちます。
どんなに理想的な暮らしがイメージ出来ていても、そして優良会社に依頼が出来ても、互いに意思疎通が出来て細かく打ち合わせが出来なければ満足できる家にリノベーションすることは難しいかもしれません。リノベーションの打ち合わせの際には、理想の暮らしや要望だけ、もしくは現在の問題点や不便さだけ、ではなく、暮らしや家に関係することを全て伝えることを意識しましょう。また、プランの打ち合わせを進めていくうえでは、分からないことをそのままにせずに理解できるまで説明をしてもらうことや、相違を無くすためにメモをとって一緒に確認すること、溢れる情報に振り回されないように、リノベーションの目的や優先順位をリスト化しておいて定期的に確認することを意識して進めましょう。
後悔しないリノベーションを目指すのではなく、満足のいく家にリノベーションすることを目指して楽しみましょう。