リモートワークやリモート授業、夏休み、家族が家で過ごす時間が長くなると、家族の時間を大切にしたいけれど、プライベートの時間が取りづらいと感じたり、仕事に集中しづらいと感じたりしているかもしれません。これからいっそう暑くなる時期に、家の中も家族の間も風通しの良い距離感を保ちたいものです。
夏本番を迎える前に、リノベーションでどのように家族が心地良い、丁度良い距離感を保てる家にすることが出来るのでしょうか?
プライベートを尊重しようと思うと、単純に個室を増やせば良いと思うかもしれません。しかし、それでは物理的にも壁が出来てしまい、そこに住む人達の繋がりを感じられる距離を奪ってしまう可能性もあります。心地良い距離感を作るために、まず家族の絆を強める間取りを作ることを考えてみましょう。
家族が会話をしやすいうえに、心地良い距離感を保つのであれば、個室を増やすよりも広めのワンルーム、LDKを作る方がおすすめです。
リビングと言えば家族が集う場所、共に食卓を囲んだりテレビを見たりするというイメージがあるかもしれませんが、その中にプライベートを楽しめる空間を作っても問題ありません。リビング内に勉強や仕事をするためのデスクやカウンターを設けたり、趣味の筋トレや読書を楽しむ空間を設けたりすることが出来ます。
あえて、個室ではなくワンルーム内に様々な用途の空間を作ることで、孤立せずに家族の気配を感じながらプライベートな事を行うことができます。
家族が集う場所以外で、それぞれが心地良いと思える場所を、リノベーション前の間取りをプランニングする時点で決めておくことは役立ちます。
例えば、料理が好きな方はこだわりのキッチンを設け、その近くに座れるようにしたり、本を読むのが好きな方は本棚を確保するだけでなく、どこで読みたいかを考えてソファを置ける位置を確保したり出来ます。その部分のインテリアやレイアウトを、それぞれが責任をもって担当することで、その空間への愛着もわきます。専用の個室でなくても、趣味が出来る場所、癒される場所を作っておくことで、プライベート空間を確保しやすくなります。
家族の絆を強めるために気配を感じられる空間を作ると、場合によっては音や視線が気になるというデメリットも生じます。心地よい距離感を保つうえで、デメリットにどのように対処できるでしょうか?
普段は広々ワンルームにしておきながらも、必要に応じて室内を区切れるようにしておくことは役立ちます。特にリモート授業やリモートワークに対応するためにワークスペース周辺に間仕切りを設けているお宅が増えています。
音の問題がなく視覚だけの仕切りが必要であれば、つい立てやロールスクリーンなどで空間を仕切ることが出来ます。音漏れをある程度防ぐのであれば、引き込み戸などの扉をつけておくことで、必要な時だけ間仕切ることが出来ます。普段は扉が邪魔にならないように、クローゼットや納戸、壁の裏に扉を引き込めるようにプランすることで、空間を広いまま使えます。
リモート会議などでの背景の映り込みを考慮して、ロールスクリーンや扉を白などシンプルなものを選んでおくなら、間仕切りとしても背景としても使え一石二鳥です。
開放的な家の雰囲気を保ちながらも、プライベートな時間を集中して楽しめると人気の間取りは、ステップフロアなど、空間ごとに高さを変えることです。
小上がりの畳スペースを設けたり、ロフトを作って子ども達が遊べる空間や読書スペースを設けたり、階段の踊り場やホール部分にカウンターを設けてワークスペースにするなど、壁がなくても、それぞれのスペースの高さが違うことで、目線が変わり空間が区別されます。
親からは目の届く場所でも、勉強に集中する子ども達からは親の視線を感じない段差にするなど、ワンルーム内にスキップフロアを設けて用途を区切るだけで、良い距離感が保てます。
家族の絆を強めたい、家族の気配を感じる会話の楽しめる家にしたい一方で、プライベートな空間や時間を大切にしたいと感じる時もあります。個室を増やしてしまうなら、せっかくの家族との距離を遠ざけてしまう可能性や、各部屋が狭くなってしまうかもしれないので、広めのLDKを設け、ワンルーム内にプライベート空間を設ける工夫をしましょう。お気に入りの空間を前もって作ること、音や目線対策のために、間仕切り扉を設けたり、ステップフロアにしたりすることで、広々ワンルームを確保しながらもプライベートな空間を保つことが出来ます。
リノベーションによって、おうち時間を、家族でも個人でも楽しめる家にしましょう!