コロナウイルスの流行によって、多くの人の働き方や生活スタイルが変わりました。仕事の面では、オフィスに通勤しないリモートワークになった方は少なくありません。そんな、働き方や生活の変化を通して、独立してフリーランスになったり、新たな分野の仕事を始めたり、副業に挑戦したりする方も増えています。
そして、多くの方の仕事の拠点となっているのが、今住んでいる自宅です。意外にも、ちょっとしたリフォームやリノベーションによって、仕事が始められるようになるかもしれません。リノベーションが新たなライフスタイルの一歩にどのように役立つのか、ご紹介したいと思います。
家での仕事というと、デスクワークを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、自宅でフリーランスを始めた方や開業する方の中にはデスクワーク以外の仕事をしている方が沢山いらっしゃいます。自宅でどんな仕事が出来るのでしょうか?
スタジオや広いスペースが必要だった様々なインストラクターの仕事も、今はオンラインで繋がることによって、インストラクターだけでなく、生徒も自宅から参加できるようになっています。通勤の時間がないため、普段の生活の隙間時間を活用して週に数時間だけ仕事を行えるようになった方もいらっしゃいます。そのため、ネット環境が整えば、自宅の一人分のスペースだけで、ヨガやダンスのインストラクターが出来たり、キッチンで料理を教えたり、DIYアドバイザーや収納アドバイザーとして、相談に乗ることも出来ます。昔学んだ仕事の技術を活かしたり、主婦としての経験を活かしたり、趣味や知識を活かして仕事を始めることが出来るかもしれません。
また、フリマサイトを活用して、趣味でやっていた手芸やレザークラフト、陶芸などの作品を販売して本格的に仕事や副業にしている方も増えています。フリマサイトへの出品であれば、納期などに追われることなく、自宅で、自分のペースで出来るので、子育てをしながら、また休日を活用してなど、ライフスタイルを大きく変えることなく出来る仕事と感じておられる方は少なくありません。
自宅そのものを使う仕事もあります。それは、空いた部屋やスペースを使って賃貸経営を始めるという方法です。子供が巣立って夫婦だけで生活している方の中には、使われていない部屋が空いているという方もいらっしゃいます。また、車を手放したので駐車場が空いているというお宅もあります。2世帯住宅だったけど、今は1世帯で住んでいたり、お店を持っていたけど今は経営していなかったりする方もいらっしゃいます。
住宅街でお店を開きたい方や、都心で部屋や駐車場を探している方は少なくありません。そのような方向けに賃貸業が行えるかもしれません。また、コロナ禍で増えたフリーランスの方やリモートワークの方向けにレンタルオフィスにすることも出来ます。自宅を見直すことで、使っていない部屋やスペースを再利用できるうえ、オーナーとして収入を得ることも出来るかもしれません。
自宅を活用することで、仕事を始められるかもしれませんが、今の家のままでは実際的ではないかもしれません。仕事が出来る環境に整えるためにどんなリノベーションが必要でしょうか?
仕事のためにリノベーションをするというと、大がかりな間取りの変更や工事をイメージするかもしれませんが、今のライフスタイルやお気に入りを崩さず、良い点は最大限に活かしてさらに良い環境に整えることもリノベーションによって可能になることです。仕事を本格的に自宅でやるには、ある程度作業スペースが必要となるかもしれません。しかし、自宅での仕事は、今のライフスタイルを変えずに仕事を始められることにメリットを感じておられる方は多いので、スタジオやオフィス、工房のような本格的な仕事場を造る必要性はないかもしれません。むしろ、家事のしやすさや趣味の楽しみやすいスペースが仕事をしやすい環境を整えることに役立つ場合は少なくありません。
例えば、家事や子育てをしながら作品を造るのであれば、リビングの一角に作業スペースを設けることが家事も仕事も便利になるかもしれません。パントリー兼家事室を広くとって作業場を作ることも出来ます。作品を作るスペースを広くとるよりも、作っている途中のものを収納しておくスペースや道具を置く場所を広くとる方が役立つ場合もあります。また、広さや部屋の位置は変えずとも、運動系のインストラクターであれば、床の補強や防音対策を行うことが必要かもしれません。オンラインの対面授業を行う方であれば、クローゼットや階段下のデッドスペースなどを活用して、1畳ほどのオンラインスタジオを作るだけで十分仕事が行えます。
仕事を中心としたリノベーションではなく、ライフスタイルを崩さずに仕事が出来る環境作りを考えてみましょう。
賃貸にするのであれば、借主のプライベート空間になるので、貸す部分を整えるリノベーションはもちろん必要になります。借家であれば、水回り設備を整えたり、人気の物件になるように内装をキレイにオシャレにしたりしておくことは必要です。
しかし、自宅の一部分を賃貸物件や月極駐車場として貸し出したり、レンタルスペースにしたりする場合も、自分のライフスタイルを崩さないこと、崩されないことを意識しましょう。プライバシーが守られた環境にしておくことは大事です。門扉を含め出入口を別にしておくことや、室内階段を分けることなどが必要です。家の中の一部屋を貸す場合であっても、外からの出入口を設けるなどのリノベーションを行うことで、相互のプライバシーが守られ、借り手も増えます。
リモートワークによって自宅で仕事をするようになった方以外に、自宅を活用してフリーランスや副業を始める方が増えています。自宅での仕事であれば、今までのライフスタイルを大きく変えずに、仕事を始めたり、経験や趣味を活かして副業にしたり、家そのものを活用して賃貸経営を行うことが出来るかもしれません。自宅をリフォームやリノベーションすることによって本格的に仕事を始められるかもしれませんが、自宅というメリットを活かした、ライフスタイルを変えすぎずに、プライバシーを守りながら環境を整えることを意識しましょう。
家で出来る仕事を始めるため、今の暮らしを楽しみながら働くためにリノベーションをしてみてはいかがでしょうか?