古い家は寒いから新築の方がいい!という方は少なくありません。確かに、新築に比べ古い家に寒さを感じる事は多いですが、その理由は単純に古さ、築年数が関係しているわけではありません。
中古物件の選ぶポイントとして、また寒い冬を快適に暖かく過ごすためのリフォーム、リノベーションをするためにも知っておくべき大切な点です。どんな点が寒さと関係しているのでしょうか?
古い=寒いというイメージはあっても、だからといって新しい=暖かいというわけではないのではないでしょうか?新しい家でも寒い家はありますし、築年数が古くても温かい家もあります。
家を快適温度に保つために重要なのは、築年数より断熱材の有無です。断熱材とは、文字通り、熱を断つ材料のことで、熱を伝わりづらくする材料を家の見えない部分に入れます。断熱材が入っていれば外気の影響を受け辛いので冬を暖かく過ごせるだけでなく、夏を涼しく過ごすことも可能です。そのため、冷暖房の効きが良くなるので電気代を抑え省エネになるというメリットもあります。
古い家に寒い家が多いのは、築年数ゆえにというよりも、古い家に断熱材が入っていないことが多いからです。特に1980年以前の建物には設置されていないことが多いようです。また、断熱材が入っていても、経年劣化から隙間が空いて気密性が低く、効果を発揮していない場合もあります。
さらに、年々、断熱材の素材や技術が向上しているうえに、気密性もアップしていることから、新しい物件の方がより暖かさを保てるようになっているからとも言えます。
その点を踏まえると、暖かい家に住むには新築が良いというわけではなく、中古物件でも断熱材が入っている物件を探すこと、断熱リフォームをすることによって快適に過ごせます。
断熱材が入っていれば家を暖かく保てるとはいえ、入っている場所や入れ方も重要です。断熱材は、家を覆うように入っていなければ意味がありません。表記上は断熱材が入っている家のはずなのに寒いとか、断熱リフォームをしたのに、あまり変わらなかったというお宅もあります。その原因の中には、断熱材が壁だけで天井裏には無かったり、ただ置かれているだけで敷き詰められているわけではなかったりして、せっかく断熱材を入れても効果がない場合があるのです。劣化や施工不良によって剥がれ落ちている場合もあります。
残念なことに悪徳施工業者もいるので、断熱材が入っているはずなのに寒さを感じるような場合は、屋根裏や床下の断熱材を点検口から確認してみる必要があるかもしれません。確認しづらい場所もあるので、プロに診断してもらうことも出来ます。
では、中古物件を買って、もしくはお住まいの家に断熱リフォームをする場合、どのようなリフォームが必要なのでしょうか?
基本的に家を覆うように断熱材を入れる必要があるので、天井、床下、壁に敷き詰めるように入れます。断熱材にはいくつか種類があり、グラスウールと呼ばれる繊維系のものや、施工が簡単なポリスチレンフォーム、現場で吹き付けて施工する硬質ウレタンフォームなどが使われています。吹き付けタイプは、高さの関係上マンションでは施工できない場合もあります。断熱材を入れる場所や方法によって、断熱材の種類を選ぶ必要があります。
また、ユニットバスなど断熱材の入った設備機器にリフォームすることも出来ます。浴槽やフタ、床に断熱材が入ったものがあり、お湯の温度を保つ効果や、寒くなりやすい浴室を快適な温度に保ってくれます。さらに、外気の影響を受けやすい窓やドアを断熱仕様のものに取り替えることで断熱性と気密性を上げることが出来ます。
内装を自然素材にこだわってリノベーションする場合には、見えない部分、断熱材も自然素材を選びましょう。例えば、羊毛断熱材や天然の木質繊維で出来た断熱材、炭化コルクの断熱材があります。
自然素材は、調湿効果があり室内を快適空間にするものなので自然の断熱効果も期待できますが、断熱材を入れることで、さらに快適空間に出来ます。
寒さが原因で新築を選ぼうとしているなら選択肢を狭めているかもしれません。古い家が寒いのは築年数そのものが原因ではなく、多くの場合、断熱材が入っていないことが原因です。最近の家は、標準仕様で断熱材が入っていますが、時代によっては断熱材が入っていなかったり、入っていても正しく施工されていなかったりして、寒さを感じる家になっています。
新築でなくても、リフォームで断熱材を入れることが出来ます。家を覆うように断熱リフォームを行うことで築年数に関係なく温かな家にしましょう。