長年、ペットとの生活を楽しみ、家族の一員として愛すべき存在となっている方は多いのではないでしょうか?また、コロナ禍でおうち時間を楽しむためにペットを飼い始めたいと思っている方も増えました。しかし、ペットの飼える環境にいないかもしれません。また、ペットOKの住宅に住んでいても、その家がペットにとって、一緒に暮らす家族にとって住みやすい環境とは限りません。犬・猫用の賃貸住宅は少しずつ増えてはいるものの、どんなペットを飼うかによって、快適さの条件は変わるものです。リフォームやリノベーションをして家そのものを見直すことで、その家に住む人や動物みんなが居心地の良い場所にすることが出来ます。
ペットのために、ペットと共に快適な暮らしを楽しむために、どのようにリノベーションすることが出来るでしょうか?
家族の一員でもあるペットが快適に暮らせるように、ペットのために出来るリノベーションをご紹介したいと思います。
どんなペットでも、落ち着ける居場所を作ってあげることが大切です。せっかくペットのためのリノベーションを行うのであれば、リノベーションして空いたスペースに居場所を設けるのではなく、ペットのための空間を前もって間取りに取り込んだ計画をしてみましょう。
ペットの種類によって、快適な居場所のサイズ、高さ、明るさ、温度が異なります。例えば、猫は屋根裏部屋のような、高くて暗い場所を好むかもしれませんし、元来穴倉で暮らす犬は、造り付けの棚の下に空間を作ってあげることが出来るかもしれません。爬虫類や昆虫の中には、一定の温度を保てる冷暖房完備の部屋を整える必要があるかもしれません。その際には窓の位置や日当たりなども意識しましょう。
それぞれの、落ち着ける居場所を確保したうえで、日中や活動時間に遊べるスペースや方法を検討しましょう。壁や梁を利用してキャットウォークを設けたり、犬やウサギが家を回遊して歩き回れるような土間スペースを設けたりできるかもしれません。部屋を行き来できるペットドアや室内窓を設けることも出来ますし、反対に逃げ出して危険に晒されないように、ネットやフェンスを設けるなどの工夫も必要です。
ペットとの生活で快適な空間を用意するには、掃除のしやすさを意識することも重要です。犬や猫のように毛が抜け変わる動物は、絨毯のように毛がからみやすい床材ではなく掃除しやすいフローリングなどの床材を選びましょう。抜け毛が目立たないように、暗めの色を避けて、ナチュラル色のフローリングを選んでいる方もいらっしゃいます。また、拭き掃除がしやすい水に強い素材や、爪の傷痕が付きにくい素材を選ぶことも重要です。
さらに、掃除の点では、洗面脱衣所にペットトイレのスペースを確保して、洗いやすいようにしたり、ベランダに繋がる勝手口のそばにトイレを置いたりして、掃除の導線を短くする工夫も出来ます。また、熱帯魚などの水槽で飼うペットの場合は、浴室や洗面台など水槽を洗うための場所への導線を考えておくことや、水を入れるための蛇口との距離を考えておくことも重要です。普段のペットの居場所だけでなく、掃除に伴う導線や掃除のしやすさを考えた間取りにしておくことを意識しましょう。
ペットにとって快適な家にするためにリノベーションする場合は、楽しいことだけでなく起こり得る問題を前もって対策しておくことも重要です。リノベーションの際には、どんな点に注意しておくことが必要でしょうか?
分譲だからといって、どの家もペットを飼えるというわけではありません。そのため、これからペットを飼おうと思っている方や、物件を探してリノベーションしようと思っている方は注意が必要です。特に集合住宅の中には、ペットの飼育を禁止しているところ、飼育できる動物に制限を設けているところもあるので、規約の確認が必要です。
さらに、飼育が可能な物件でも近隣に配慮していなければ、ご近所トラブルになって、生活しにくいということもありえます。環境の確認も必要です。マンションのエレベーターや廊下など、リノベーションではどうすることも出来ない共用スペースや駐車場の位置、散歩のしやすさなど、家の外に共に出かける時のことも視野に入れた物件探しをしましょう。ベランダに蛇口があっても、共用スペースとしてペットを出してはいけない、洗ってはいけない規約のところもあります。せっかく、快適な環境にリノベーションできても、近隣の目が気になったり、規約上共用スペースを活用できなかったり、散歩しづらかったりすると、日々の暮らしが大変になってしまいます。
ペットと暮らすためにリノベーションする物件を探す際には、リノベーション会社に前もって、ペットとの生活を考えていることを伝え、家の中はもちろんのこと、立地条件の良い場所を探すことに協力してもらいましょう。
ペットを飼うことで起こり得るトラブルで特に多いのが、音と臭いの問題です。
鳴き声や室内を走り回る音が近隣トラブルになることもありますが、音が問題になるケースはなにも音を生み出す側というだけでなく、鳥や小動物など、音に敏感でストレスになりやすいペットを外部の音から守るという点でも、音を意識しておく必要があります。音のトラブルを防ぐために、床や壁材に防音材や遮音材を使うことを考える必要があるかもしれません。また、窓を二重サッシにするなどの工夫も出来ます。
臭いの点では、体の小さなペットの健康を守るという面からも、消臭剤を使うよりも、珪藻土など消臭効果のある自然素材を使うことで、家の広い面積を使って臭い対策が出来ないか検討してみましょう。
家族の一員として愛すべき存在のペットでありながら、生活しづらい環境にあるかもしれません。ペットのために、ペットの居場所や生活パターン、掃除のしやすさを考慮した家にリノベーションすることは、そこに住む人、動物全てにとって快適な家にする方法のひとつです。ペットのための家にリノベーションする物件を探す際には、リノベーション出来る室内だけでなく、共用スペースの規約や近隣、立地環境も意識した物件選びをしましょう。また、防音材や二重サッシを使った音対策や、珪藻土を使った臭い対策など、ペットに関係するトラブルを事前に意識した内装材選びも重要です。
大切な家族と、一緒に楽しんで住める環境をつくるためのリノベーションを目指しましょう。