秋から冬にかけて、家や部屋の乾燥が気になりはじめるお宅は多いのではないでしょうか?寒さ対策でエアコンをつけると、さらに乾燥が増してしまうかもしれません。家の中が乾燥すると、髪や肌も乾燥してしまい、肌荒れや痒みの原因になったり、風邪やインフルエンザなどのウイルスの生存率も高まってしまうなど、体への悪い影響が生じたりもします。コロナ感染対策という点でも、湿度40%以上にして、乾燥を防ぐことが勧められています。そのため、乾燥しやすい家にお住まいの方は、加湿器などを使って、乾燥を防ごうと励んでおられるかもしれません。しかし、加湿器の効果は部分的、一時的だと感じている方は少なくありません。
そんな、乾燥しやすい家や乾燥しやすい部屋、という問題はリノベーションによって解決することが出来るかもしれません。どんな点を意識してリノベーションすると良いのでしょうか?
リノベーションする際に、乾燥しにくい家にすることを意識することは大事ですが、極端になってもいけません。まずは、注意すべき点に注目してみましょう!
一般的に戸建てよりマンションの方が乾燥しやすいと言われています。それは、シックハウス症候群を防ぐために、2003年より24時間換気システムが導入されたことが原因のひとつです。室内の空気を2時間に1回入れ替える換気システムによって、外の空気を頻繁に取り入れるため、換気は出来るものの、湿度が保てず乾燥しやすくなっています。しかし、だからといって2003年以前の換気システムが導入されていない物件に住めば良いというわけではありません。シックハウス症候群になることを防ぎ、健康を守るためには必要なシステムだからです。
また、乾燥しないようにと、とにかく湿度を上げれば良いというわけでもありません。湿度が高すぎると壁紙や木材などが腐食したりカビが発生したりしてしまいます。ですからリノベーションの際には、乾燥しないことに重点をおくのではなく、快適な湿度を保つことを意識した家づくりが大切です。
では、リノベーションで、どんな点を変えれば乾燥しやすい家や部屋にならずに、快適な湿度を保てる家に出来るのでしょうか?
寝室や廊下など乾燥しやすい部屋があるのに対し、浴室やキッチンといった水回りは、水を使うだけあって乾燥しにくい空間です。カビが発生する場所も大抵、家全体ではなく、一部の部屋や壁だけと、限られていることからも、その点が分かるかもしれません。家の中が個室や廊下など、細かく分断されていると特に、乾燥している部屋と湿度の高い部屋に分かれるかもしれません。
その点を踏まえて間取りを考えてみましょう。乾燥しやすい空間に、ランドリールームを設けて、洗濯物を干せるようにすることで、適度な湿度を生み出せるように出来ます。また、廊下を設けずに、リビングから直接、洗面脱衣所・浴室に入れるようにすることや、水回りを回遊できる間取りにして湿気が溜まらない間取りにすることによっても、浴室内やキッチンで発生した湿気がリビングなど他の部屋に流れやすくなります。加湿器を置くとしても、空気が循環できる間取りになっていれば、部屋ごとに何台も加湿器を置く必要がなくなるかもしれません。
家丸ごと、乾燥を防ぐ働きをしてくれるようにリノベーションすることも出来ます。それは、調湿効果のある材料や内装材で、リノベーションすることです。
例えば、壁に珪藻土を使ったり、床に無垢フローリングを使ったり、自然素材でリノベーションすることで、自然素材の呼吸によって、室内の水分量が増えて湿度が高くなると吸収し、乾燥してくると排出してくれるので、快適な湿度を一定に保ってくれる効果が期待出来ます。天然素材の断熱材を使うことも、室内に必要な湿気を保つ点で効果的です。
また、自然の力を使うという点では、観葉植物を置くことも乾燥を防ぐ助けになりますし、観葉植物の生長具合や状態で部屋の乾燥具合を判断するうえでも役立ちます。そのため、観葉植物を置くための場所を室内に設けるのもおススメです。
また、自然素材以外にも、エコカラットを乾燥しやすい部屋の壁に張ったり、調湿機能があるクロスや塗料を使ったりしてリノベーションすることで、面積の広い壁や床によって室内の湿度を調整してくれ、乾燥を防ぐことが出来ます。ただ、乾燥を防ぐために湿度を上げるのではなく、乾燥も湿気も防ぎ快適に暮らすためには、自然素材や調湿建材を使ってリノベーションしましょう。
エアコンや乾燥した外気を取り込む24時間換気システムなどにより、乾燥しやすい家に悩まされているかもしれません。加湿器を使うことで、一時的には湿度を上げることが出来るかもしれませんが、空気が循環する間取りにすることや、自然素材を使ったリノベーションによって調湿をするなど、乾燥だけでなく湿気を防いで快適な家にすることを意識しましょう。