東京23区内には、タワーマンションが数多く建設されています。その一方で、下町情緒あふれるエリアでは、戸建てや中層マンション、アパートなどもあります。そのため、都内の中古市場では様々な種類の建物から選択できるというメリットがあります。選択肢が多いため、しっかり比較して選ぶことは重要です。
では、選択肢が多い中で、タワーマンションを選ぶことには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?また、リノベーションをすることを前提で探す場合には、中層マンションや戸建てとは違うどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?ご紹介したいと思います。
ここでは、新築か中古かに関係なく、高層マンション・タワーマンションに住むことにはどんなメリットやデメリットがあるかについてご紹介したいと思います。
●高層階の眺めの良さ
タワーマンションの最大のメリットと言えば、高層階での眺めの良さです。周りに遮るもののない眺めの良さや日当たりの良さは、タワーマンションだから味わえる魅力です。
リノベーションの際には、その眺めを最大限に活かした間取りにすることがポイントです。
●資産価値が落ちにくく保険になる
タワーマンションは都市開発と共に建設されることが多いため、周辺には駅やショッピングモールなどがあり、立地環境が良いという特徴があります。そのため、資産価値が落ちづらく、購入時とあまり変わらない価格で売却することが出来ます。タワーマンションを購入しておくことで、資産を手にすることができるというわけです。
借り手や買い手がつきやすいタワーマンションは、ライフステージに合わせた住み替えや転勤時に賃貸物件にすることも、売却して何かの時や老後の資金にすることもでき、保険になります。
●セキュリティーの高さ
基本的な仕様としてオートロックになっていること、コンシェルジュが在中していることなど、セキュリティーが高いのもタワーマンションの魅力です。各フロアにはカギを使ってしか止まらないエレベーターになっているマンションもあり、外部からの侵入を防いでくれます。
●管理費や修繕積立金が高い
戸建てでは、修繕費を自分で取り分けておく必要があるものの、居住面積以上の管理費を払う必要がないのに対し、タワーマンションでは、エレベーターやセキュリティー設備などマンション全体にかかる費用は多く、管理費や修繕費が高くなってしまいます。またコンシェルジュや共用施設など、タワーマンションならではのサービスゆえに、一般的なマンションよりも高くなり中層マンションと比較すると倍ちかく管理費が高いマタワーンションも少なくありません。
ローンの返済が終えたとしても、管理費や修繕費は引き続き払わなければいけないので、自分の家のリフォームの時期や費用も考えて、支払いが滞りなく行えるか、長期的な確認が必要です。
●意外と使えないバルコニー
高層階は強風の影響があるため、また、美観を重視するために、バルコニーに洗濯物を干すことが禁止されているマンションは少なくありません。そのため、常に室内干しや乾燥機付きの洗濯機を購入する必要があります。また、物を置くことを禁止されているマンションもあります。高さゆえに、幼い子どものバルコニーへの出入りに常に注意を払っていなければいけないという問題点もあり、バルコニーは意外と使えないと感じている方は少なくありません。
リノベーション時にリビングとバルコニーとの繋がりを大切にしておられる方や、バルコニーをアウトドアリビングにすることを楽しみにしている場合は、バルコニーの使い方に規制がないか確認しておきましょう。
●エレベーターの渋滞で外出が億劫に
タワーマンションの場合は、100を超える住居が入っているうえに、それを2~3基のエレベーターでまかなうため、通勤・通学や帰宅ラッシュの時間帯には、エレベーターで渋滞が起こってしまいます。タワーマンションは、エレベーターで止まる階数も多いため、いっそう時間がかかってしまいストレスになってしまうかもしれません。そのため、外出が億劫になったという方もいらっしゃいます。宅配ボックスが設置されていても、エレベーターを活用し、重い荷物を持ってマンション内を移動しなければならず、マンション内でも億劫に感じることが多いようです。
また、普段はエレベーターの渋滞を避けられる生活を送っている方であっても、地震などの災害時にエレベーターが止まってしまうというリスクもあります。高層階であればあるほど、緊急時に階段で上り下りする距離が長くなってしまいます。
リノベーションをする場合、タワーマンションならではのメリット・デメリットにはどんなことがあるのか、ご説明したいと思います。
リノベーションの工事中や、リノベーション後に引っ越しを行う際には、室内だけではなく、マンションの共用部分を傷つけることがないように養生をします。戸建てに比べると養生部分が多く、養生費や手間がかかります。エレベーターを使うことで、マンション全体に迷惑をかけたり、自分が住みだすと他の家のリノベーションでエレベーターが使い辛くなったりするかもしれません。
また、タワーマンションのデメリットでもあるエレベーターの渋滞は、工事中の資材を搬入する際にも影響します。資材が届かない限りには、工事に入れませんが、搬入に時間がかかり工期が長くなるということもあり得ます。短時間でするために人件費がかかることもあります。さらに、大きな家具やキッチンの天板など、規格外の大きな物は、エレベーターのサイズや廊下の通路幅によっては通らないこともあります。戸建や低層マンションなどでは、窓から入れることで解決することもありますが、クレーンの使えない高層マンションでは、諦めなければいけないかもしれません。
戸建てでは、家に関するセキュリティー対策を自分で行わなければいけません。例えば、防犯ガラスや防犯ドアにしたり、カメラ付インターフォンにしたり、人感センサー付きの常夜灯を付けたりする必要があります。しかし、マンションでは建物そのもののセキュリティー対策が行われているので、防犯対策のための費用がおさえられます。
しかし、中層マンションによっては、カメラ付インターフォンでは無かったり、宅配ボックスが設置されていなかったりします。戸建ての場合は、自分で改善できますが、マンションであれば共用部分なので勝手に工事できません。その点、多くのタワーマンションではカメラ付インターフォンや宅配ボックスはもちろん、コンシェルジュ付きで、さらにハイセキュリティーになるため安心です。
戸建てや中層マンションだけではなく、タワーマンションの選択肢もある都内では、物件のメリットとデメリットを比較したうえで選ぶことが重要です。タワーマンションには、眺めの良さや資産価値が落ちにくいこと、セキュリティー性が高いことなどのメリットがある一方で、管理費が高かったり、バルコニーが意外と使えなかったりするデメリットもあります。また、リノベーションの際には、タワーマンションでは、養生や搬入に手間や費用がかかるというデメリットはありますが、防犯リノベを行う必要がないというメリットがあります。
中古物件を買ってリノベーションを行うのであれば、物件そのものを比較することに加えて、リノベーション時のメリット・デメリットも事前に確認しておくことも大切です。