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無垢フローリングでも床暖房って使えるの?

投稿日:2020年11月16日

「床暖房が入っているから、この家は暖かいですよ!」と、物件の売りにできるほど、床暖房=暖かいというイメージがあるのではないでしょうか?新築の標準設備として床暖房を設置されていることも増えているため、リノベーションの際にも、暖かな家づくりのために床暖房を取り入れることが選択肢のひとつになっています。
では、寒い冬を乗り切るため、寒い家を改善するために床暖房を取り入れるのは良いのでしょうか?自然素材を使ったリノベーションの際にも床暖房を取り入れることは可能なのでしょうか?

床暖房って何?

そもそも、床暖房とはどんな設備なのでしょうか?床暖房のことやメリット・デメリットをご紹介します。

■床暖房とは?

床暖房とは、フローリングなど床材の下に床暖房設備を設置し、床からの伝導熱によって部屋を暖めることができる暖房設備です。電気かガス、灯油によって作りだした温水を床下の配管で巡回させて床を温める温水式と、電熱線を床下に張り巡らして床を温める電気式の2種類があります。

■床暖房のメリット&デメリット

●床暖房のメリット

冬は、温かい空気が上に集まってしまうので、足元が冷える傾向があります。そのため、床暖房によって足元から温めることができれば、部屋全体が暖まりやすくなります。部屋内の温度差があまりなく、素足でも暖かく過ごせ、床暖房ならではの心地良い暖かさが人気です。
また暖房機器とはいえ、部屋の中に置いているわけではないので、場所をとらず冬が終わった時に収納する必要がないため、置く場所、収納場所に困りません。また、エアコンやファンヒーターのように、風が出ないので空気が乾燥しにくく、ホコリが舞い上がりにくいというメリットもあります。

●床暖房のデメリット

一般的な暖房機器と違い、床下への設置工事が必要となり、費用がかかります。床暖房用のフローリング費用も割高です。さらに、メンテナンス費用もかかりますし、仮に故障した場合は、修繕費に加え、場所によっては床や壁の補修も必要となります。設置にも維持にも費用がかかってしまうのが最大のデメリットといえるかもしれません。

無垢フローリングでも床暖房って使えるの?

自然素材にこだわった家にする場合、床材に無垢フローリングを使われるお宅は少なくありません。では、無垢フローリングでも問題なく床暖房も取り入れることは出来るのでしょうか?

■無垢フローリングの膨張特性が問題!?

無垢フローリングのメリット、特徴ともいえるのが、呼吸するように温度や湿度を調整する機能が自然に備わっているという点です。その調湿効果ゆえに、無垢材は温度や湿度に伴って多少の膨張を繰り返します。膨張によってフローリングに隙間が出来すぎないように、しっかり乾燥させた木材が使われたり、木の特徴を知っている職人の手によって張られたりしますが、無垢材である限り、多少の膨張は避けられません。その点を考えると、無垢フローリングは温度変化の大きい床暖房に不向きだと言えます。

しかし、床暖房用に加工されている無垢フローリングもあるので、自然素材を使った家でも床暖房を取り入れることは可能です。メーカーが扱っているフローリングの中には、複合フローリングといって、フローリングそのものは合板で出来ているものの、表面に無垢の突板が貼られているものがあります。見た目や肌触りだけ無垢であれば良いという方は、床暖房対応の無垢フローリングの中では比較的安価なので、複合フローリングでも良いかもしれません。

複合フローリングでなくても、幅を細くして収縮が目立たないようにした床暖房対応の無垢フローリングもあります。しかし、基本的に無垢フローリングは床暖房に不向きなので、一般的なフローリングに比べるとトラブルの原因になりやすかったり、寿命が短くなったりするリスクがあります。価格や優先順位を検討したうえで、素材を決めましょう。

■無垢フローリングは床暖房要らず!?

無垢は肌触りが良く、ヒヤッとしない床材なので、無垢フローリングを使えば、そもそも床暖房は要らないのでは?と考える方もいらっしゃいます。しかし、一般的なフローリングと比べれば冷たさを感じにくいというだけで、無垢フローリング自体に温かくなる機能が付いているというわけではありません。そのため、無垢フローリングを張ること部屋が暖かくなることを期待することは出来ません。

家の断熱効果を上げて、床暖房なしでも暖かい家を作ることや、年中肌触りの良い床材にするために、また快適な湿度や温度を保つために無垢フローリングを選ぶというのは効果的ですが、暖房機器を選ぶうえで、無垢フローリングだから床暖房は必要ない、というわけにはなりません。無垢フローリングは床材の選択肢、床暖房は暖房機器としての選択肢として、別の分野です。しかし、建材や構造、冷暖房設備の組み合わせ次第で、相乗効果を期待できるので、単体ではなく組み合わせを変えながら一緒に考えることは大事です。

まとめ

部屋を伝導熱によって足元から暖めることが出来る床暖房は、その柔らかな暖かさから暖房設備として新築でもよく使われています。リノベーションの際にも設置を検討することが出来ますが、設置費用やランニングコストがかかるというデメリットもあるので、よく検討しましょう。また、自然素材でリノベーションする場合には、無垢フローリングとの相性はあまりよくないので、対応する素材を選ぶ必要があります。
床暖房を取り入れるかどうかに関わらず、年中快適な家にリノベーションするためには、家の断熱性や構造、内装材、冷暖房機器の組み合わせや費用も一緒に考えることを意識しましょう。

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